2007年 12月 3日 (月) 

       

■  〈夜空に夢見る星めぐり〉200 八木淳一郎 火星を見よう

 冬の星空が華やかなのは、1等星が多いことと、季節風が大気の流れを激しくして星のまたたきを強くするためです。

  さて、時計の針が7時を回るころには東の空に上ったばかりのオリオン座のきれいな形を目にすることができ、今年もまた長い冬の季節がやってきたことを実感します。

  冬の王者オリオンはリゲルとベテルギウスという2つの1等星を従えていますが、オリオンのまわりにある星座たちもほとんどが1等星を有しています。

  中でも、おおいぬ座の主星シリウスは正しくはマイナス1・5等星ですので1等星のおよそ8倍も明るく、目を奪われます。こいぬ座のプロキオン、ふたご座のポルックス、ぎょしゃ座のカペラ、おうし座のアルデバランなど、オリオン座のベテルギウスを除き、これらの明るい星々の並びは六角形を形作っていて、これを冬のダイアモンドと称しています。

  一方、ベテルギウスとシリウスとプロキオンの3つは冬の大三角形としてあまりにも有名です。戸外に出て冬の星空を見てみましょう。するとどうでしょう。なんだか一つ数が合わないようです。それもそのはず、今シーズンはダイアモンドに光が当たっているかのように1個別の星が加わっているのです。ふたご座の中、ポルックスとカペラの間くらいにある赤々とした明るい星、これは地球に接近中の火星です。12月19日に最接近を迎え、その前後の数週間は大変明るく光っています。

  火星とシリウスは、明るさが同じ位な上に、赤と青白色の色の対比で見事にハーモニーを奏でています。火星は2年2カ月ごとに今回のような小接近を、15年に1回は大接近を起こします。月日のたつのは早いもので、超のつく大接近があってからもう4年も経ってしまいました。

  普段あまり星空に目を向けない人たちもこのときとばかりは参加して、世界中で大勢の人が火星に注目したものでした。小接近となりますとマスコミも話題にしてくれませんし、大接近に比べて世間の関心はないに等しいのですが、今回の場合はほかの小接近のときよりも中接近と呼んでいいほどのものです。

  機会があれば、ぜひ人類の第二の故郷になるかもしれない火星の姿を望遠鏡のレンズを通してご覧ください。

  ところで、来年は日本天文学会創設100年の年。これを記念する切手の発行もあると聞きます。

  さらに再来年になりますと、ガリレオ・ガリレイが人類史上初めて望遠鏡を天体に向けてから400年という記念すべき年であり、世界中が天文の世界を通して一つになるよう何かが行われるかもしれません。こうしたときに、盛岡がほかに率先して宇宙に目を向ける都市になったなら、子供たちにとってどんなにすばらしいことでしょう。そうなったときにはまた、晴れて賢治ゆかりの地であることを誇ることが許されるに違いありません。

(盛岡天文同好会会員)

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