2007年 12月 9日 (日) 

       

■  〈われらの時代〉9 和井内和夫 東北の県民性(上)

 岩手の県民性については、何か事あるごとに取り上げるマスコミの見方も、あるいは県民性に関する本でも、一般的傾向として消極的・保守的・辛抱強い・遠慮深いなどを挙げているものが多い。

  岩手県人に最も向かない職業は商人というのも定説である。ちなみに現在盛岡で老舗と言われる店の先祖の多くは、南部氏が青森県の三戸から盛岡に城を移し城下町を形成した以後に移り住んだ近江商人など関西をルーツにしている。

  ただし、全国的視野で見れば、この気質は岩手に限らず東北地方全体に共通するように思えるのである。

  大分以前のことであるが、あるマスコミが行った東北地方全体の住民気質に関するアンケート調査によれば、東北地方以外の出身者で現に東北各県に住んでいる人から見た場合は、人情に厚い・受容性・辛抱強い・保守的・遠慮深い・向上心などが気質的特徴として高得点を上げ、一方東北人自身の分析では、人情に厚い・辛抱強い・保守的・消極的・遠慮深い・足の引っ張り合いを特徴に挙げる人が多かったそうである。

  よその地方出身の人から評価された受容性と向上心が消えて、マイナスに間違いない消極的と足の引っ張り合いが入ったのはなぜであろうか。コンプレックスからきた過度の自己卑下でなければ幸いである。

  東北地方の中だけで見れば、青森県西部津軽地方の強情と目立ちたがり、秋田の優柔不断と権威好み、山形の割り切りの良さと理屈好き、仙台の開放性と事大主義そして福島県会津地方の向上心と人見知りなどの特徴らしいものあるが、それとても東北の中だけで比較した場合のことで、前記のマスコミの調査のほか、他地方の出身者で東北で暮らしたことのある方々が指摘する、東北人の基本的性格である、保守的・消極的・辛抱強い・遠慮深いに多少の色づけをしている程度である。

  欠点と見られる保守的・消極的・遠慮深いであるが、これを具体的な態度行動で言えば、新しいことに挑戦しない・慣例重視・融通がきかない・引っ込み思案・本音を言わないということであり、その根底にあるのは、目立たないことと横並びを良しとする大勢順応主義である。その底流には権威主義と事大主義があると思われる。

  もっともその裏返しは、慎重・堅実・協調・気配りなどに通じるわけで、すべて欠点と言うわけではないが、陰と陽に分ければ陰であり、活気と沈滞とに分ければ沈滞の方であろう。

  高い視点と視野の広さやアイデアには優れたものを持っているが、実際の行動となると、世間の批判を無視しても自分の考えを押し通すとか、周りの反対を正面から押し切って何かを実行するなどは不得意であると言われている。

  以上が東北人の基本的性格であるというのがわたしの持論である。

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