クリスマスのイルミネーションが、街にともるこの時期、わたしの住むアジアゴ近郊の柿(かき)の木も、葉を落とした枝いっぱいにオレンジ色の実をつけ、一層目立つようになりました。
その様は、クリスマスツリーの飾り球にそっくり。ここベネト州周辺の風物詩です。
八百屋の店先(写真)には、パック入りの完熟柿がたくさん並び、4個入り1パックが300円ほど。トロトロの中身をスプーンで半熟卵のように、すくって食べるのがイタリア風。ジャムのようだと人気です。
柿の原産は日本なので、イタリアでもKAKIと呼ばれていますが、イタリア語では、単数か複数かによって語尾が変化するので1個ならKAKO。でも、日本人のわたしにはピッタリこないので友人たちに「何個でも柿はKAKIよ」と言うのですが、一向に改まりません。いつも「KAKOは甘くておいしいわ」と返してくるのです。
最近、富有柿に似た固い甘柿も出回るようになりました。KAKO−MELA(りんご風柿)と呼ばれ、1個50円ほどですが、こっちのほうはまだなじみが薄く、大の甘党イタリア人たちの人気もいま一つのようです。
数年前、長崎の市民団体が近くの古都ヴィチンザを訪問して柿の苗木を贈り、植樹祭が盛大に行われました。原爆の焼け跡に、奇跡的に生き残った柿の木を大切に育て、それを株分けしたのです。
以来、柿の木は、ベネト州の平和を象徴する木になりました。その時、街の子供たちが描いた太陽のような柿の実のある風景が、今もわたしの目に焼きついています。
わが家では、友人宅からもらった柿で今年も干し柿作りをしました。皮をむき、アジアゴの乾燥した冷たい空気に数週間ほどさらすだけですが、とても甘くなります。イタリア人は干したイチジクや杏などを好むので、近所におすそ分けしたら大好評。わが家のささやかな正月の準備です。
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