2008年 1月 1日 (火) 

       

■ 〈イタリアンチロルの昼下がり〉34 及川彩子 ステラ・ステラ

     
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  私の住むアジアゴの隣町がガリオ。この町の小学校で、私が音楽の授業を受け持って4カ月が過ぎました。

  イタリアの小学校は、5年制で全日午前授業。教科も国語・算数・理科・社会・英語以外は、ほとんどありません。音楽や美術は、中学に入ってから学ぶのです。

  でも、ガリオの先生も生徒も音楽好き。長女ルチアが通っている関係もあって、全学年の全クラスで週1回、音楽を担当することになったのです。

  学校には、ピアノもほかの楽器もないので、私の持っている卓上電子ピアノや小型の琴で演奏体験させたり、濡らしたコルク栓で、ワイン瓶を擦って音作りをするなど、思考錯誤の連続。それが、私自身の「音楽再発見」にもなり、また子供たちからは、たくさんのイタリアの歌を教わりました。

  子供たちが五線譜を読めるようになった12月、5年生18人全員で、クリスマスソングを作ることになりました。五線譜の上に、好きな音符を好きなように置き、私が整理して4拍子の聖歌風の曲が完成しました。

  それを電子ピアノで弾いて聞かせると大歓声。「私たちの心を照らす星、いつまでも輝け、愛の光、私たちみんなを照らす光」と、歌詞もあっという間に出来上がりました。名付けて「ステラ・ステラ」。ステラは、イタリア語で「星」の意味です。

  「ステラ・ステラ」の発表会は、アジアゴ病院の付属養老院。ガリオの学校では、毎年クリスマス前に訪問、ツリーに手作り作品を飾り付け、お年寄りを喜ばせているのです。

  森のモミの木が、冬の薄日に輝く年末の午後、養老院を訪ねました。ワッとお年寄りに駆け寄る子供たち。手作り歌のお返しに、貧しい時代のクリスマスの思い出を語るお年寄りたち(=写真)。

  連日のように練習した「ステラ・ステラ」が、世代をつなぐ懸け橋になったのです。

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