2008年 1月 1日 (火) 

       

■ 〈賢治の歌〉977 望月善次 わが国のほまれと言える

 東北菊花品評会(五大州)
  わが国のほまれと云へるこの花はと
  つくにまでもわたりゆくらん
 
  〔現代語訳〕我が国の栄光ともいうべき、この花は外国までも渡って行くでしょう。

  〔評釈〕「東北菊花品評会」五首中の二首目の「252歌」。同会短冊用の下書き原稿で、昭和六年ごろの作品か。「五大州」は、おそらく出品菊作品に付けられた名。「五大州」の語義は、アジア州・アフリカ州・ヨーロッパ州、アメリカ州・オセアニア州の総称で、世界のこと。「ほまれ(誉れ)」の「ほ」は、優秀なことを示す。「とつくに(外つ国)」は、「外(と)の国」を表し「外国」の意味。賢治は、菊作りには協力的で、阿部芳太郎宛書簡〔281〕には、どうも顧問・賛助会員などを依頼されたことが記されているし、八木源次郎宛書簡〔書簡396〕には、品評会専用名「高橋喜一郎」の使用などまでが伝えられている。「作品」だと言えるかは別にして、伸びやかに歌っていることは事実。
(盛岡大学学長)


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