「ぼく」は、家でラーメンを食べています。育ち盛り、おやつなのでしょうか。窓の外には青い空、白い雲。なんてことない、ごく普通の午後なのでありました。となりの家では、同じ年ごろの女の子が、テレビのお笑い番組を鑑賞中。トイレでフン闘中の子、おけいこごとにいそしむ子、元気にスポーツ、お手伝い…、向こう三軒両隣、ぼくたちはみんな、普通の、あたりまえの、そしてそれなりにきちんと、その日を暮らしているのです。
ここで視点は切り替わり、「となり」の国のこどもたちを追い始めます。でこぼこ道で自転車をこぐ男の子がいます。どこへ行くのでしょう。そのとなりの国では、赤ちゃんをおんぶした女の子。お母さんはどこに?
そのとなりの国では、水くみをしている子、牛を引いて畑仕事の子、道端でパンを売る子、…そして、画面は倒れている男の子にたどり着きます。荒れた街、乾いた土の上で、誰に助け起こされることもなく。…地球の上、同じ年ごろの子供たちの上を、そよいでいくのは、同じ風なのでしょうか? 普段は愉快な作風の作者が、タッチをそのままに静かに問いかけます。
【今週の絵本】『ぼくがラーメンたべてるとき』長谷川義史/作、教育画劇/刊、1365円(税込み)8歳〜(2006年)
|