2008年 1月 7日 (月)
■ 「中心部は軌道交通がいい」 山田線の活用を考え今年も活動
都市交通として活性化を求められている山田線(上盛岡駅)
盛岡市の市民団体の盛岡にLRTを走らせ隊(戸舘弘幸代表)は、盛岡市内のJR山田線の利用促進と活性化を目指している。2月10日には富山市の森雅志市長を招き、JRのローカル線を市民の足に再生した先進事例を学ぶ。走らせ隊は盛岡駅−上米内駅間への新駅設置や、増発してダイヤを緊密化することを想定。併せて盛岡市内にLRT(次世代型路面電車システム)を走らせることで、レールを柱にした交通政策を提言する。CO2削減など時代的な要請からも軌道交通に将来性を見いだしている。
地方公務員の戸舘代表は一市民の立場から盛岡市の交通事情について「中心部は軌道交通の方が良い。走らせ隊としては軌道交通を中心にした交通体系を組み上げたい」と問題提起する。
「しかし、いきなり町中にLRTと話しても、市民の合意形成にはハードルが高い。道路空間の再配分が必要。盛岡には山田線という軌道の大きな資産があるが、都市近郊で十分に使われていないと思う。せっかくの資産なので十分活用して住民の利便を考えたい」と述べ、まず市民が山田線を日常の足として再発見するよう求める。
「軌道交通が都市交通で大きな役割を果たせると実証されれば、最終的に『町中に軌道交通はいいのでは』と、LRTの気運が生まれてくるのではないか。そういう位置付けで山田線を活用することに取り組んでいる」。
今年は富山市の事例をモデルに具体的なビジョンづくりに向けて活発化している。富山市はJR西日本の赤字路線の富山港線の経営を引き継ぎ、新会社の富山ライトレールの手で06年から市民の足として鉄路を再生した。シンポジウムは2月10日午後2時から盛岡劇場で開かれ、森富山市長が基調講演。盛岡市内の学識や商業関係者を交えたパネルデスカッションを行う。前段として1月14日午後1時半からアイーナで山田線の活用促進を考えるワークショップ報告会を開く。
戸舘代表は富山ライトレールについて「JR線の軌道を使いながら本格的なLRT線を導入した。当初は赤字を想定して10年後に黒字転換の計画だった。非常に順調な滑り出しで初年度から黒字を計上するほど。今まで街中に出てきていなかった高齢者が乗り、町の活性化につながると実証されたのでは」と話し、同じ県都の事例として期待を寄せる。
山田線については「都市近郊部の運行本数を充実する。新駅を設置して駅間をもっと詰める。中央病院に通う人や学生、障害者など交通弱者がきちんと使えるようにしたい」。盛岡駅−上盛岡駅間に新駅を設置すれば岩手大学、岩手医大教養部、盛岡一高、岩手高校などが駅勢範囲に見込まれ、上盛岡駅から下り方面には通勤の足を掘り起こす余地があり、路線が持つポテンシャルは大きいという。
県立大総合政策学部の宇佐美誠史氏は山田線について、「せっかくの大きなインフラで、今から作ることはほとんどできないだろう。富山のライトレールも(線路が)あったから改良できた。それを活用しない手はない。簡単な駅や車両だけであれば新規投資は少なくて済むし、沿線に多くある住宅や公共施設をもっと使えるようにしてやることが大事。山田線を起爆剤に公共交通を考えてもらいたい」と提言する。
現在の山田線の同区間ダイヤは1日6往復。12月から車両はキハ110系に変わり、乗り心地は向上したが、まだ利用促進の余地は大きい。JR東日本盛岡支社の本間崇運輸部長は「お客様のボリュームがどうなるかがベースになる。上米内や上盛岡の通勤通学の動向を見極めながら検討したい」と話している。
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