2008年 1月 13日 (日) 

       

■ 厳しさ自覚の08年か 企業トップはこう見る

 原油高に株安と波乱の幕開けになった日本経済。県内の経済人は2008年をどう見ているのか。7日に開かれた盛岡商工会議所(永野勝美会頭)の新年交賀会で出席したトップに直撃インタビューした。厳しい経済情勢を予測し、格差の拡大を懸念する声が聞かれたが、平泉の世界遺産など明るい話題に期待する向きもあった。

 県中小企業団体中央会の鈴木宏延会長は「会頭が言われたように景気が悪い条件はたくさんあるが、良い条件もあるのでそこでどれだけカバーできるか。住宅の耐震問題で着工のペースが落ちているのがどのあたりで回復するかを見なければならない」と述べた。

  東北地域経済開発研究所の萩原良樹社長は「地域間競争を勝ち抜くには手をつないで連携していくこと。競争して1社1社頑張るのも大事だが、やはり仲間同士が力を合わせる。あるいは違ったところと手を握る。商工会議所や経済同友会の役割は情報と行動に移す上で大変大事だ。宮城、山形、あるいは北東北で一緒になってもいいし、地域連携で企業同士の連携に頑張ってほしい」と話し、広域の連携を唱えた。

  テレビ岩手の矢後勝洋社長は「あまり明るい話題がないのではないか。だが北上に東芝が大きな工場を作るという話があるので、岩手県には相当雇用が増えるだろう。インパクトがあるのでは。平泉についてはようやく知事も熱心に言うようになったが、やや遅かったのではないか。宮城県では平泉にかなり積極的。岩手県も北の方の盛岡、花巻に誘引するような方策を持つべきだ」と話し、全県的な取り組みを求めた。

  アスクの浅井敏博社長は「会頭が言っているように大変厳しい年になる。不動産が地方格差と言われているように東京はバブル的な状況が見られたが、地方はまだ土地の値下がり傾向が改善されない。ただ盛岡市に限って言えば去年のNHKのどんど晴れ効果、新幹線のスピードアップで2時間くらいになれば、首都圏と同じ状態になってくる。交流人口を増やす手だてを見つけ、そこから活力を出していきたい」と話し、地域経済に期待した。

  山田酒店の山田康社長は「今年は大変苦労するのではないかと思う。企業努力でプラスになるところはあるかもしれないが、当たり前にやっているとマイナスになり、格差が明らかになるのではないか。われわれの業界は前年比で92%から93%くらい。パイが小さい中でお客さんの選択によって動くから大変な時代だ。パイが大きくなることがない。成人者、飲酒人口が減ってきている」と少子高齢化の影響を口にした。

  和かなの坂下陽市社長は「やはり格差拡大が進むのではないか。手を打ったところは残るし、従来通りやってきたところは衰退する。どの業界を見ても。あとは各人の意識改革しかない。いろんなことは言われているが、対症療法ばかりやってきたので、地域社会の仕組みから作らねばならない。やはり行政ではやっていけない。民間で本当にやる気がある人が実行すれば良くなる」と民間活力を求めた。

  ジョイスの小苅米淳一社長は「流通業も含め地域経済はさらに厳しい時代。企業統合などの再編が行われており、生き残りを懸けた手法の一つとして仕方ないだろう。地域の活性化には、産学官が連携し付加価値のある商品を作り出し、首都圏や名古屋など成長している地域との連携などが必要だろう」と言う。

  平金商店の平野佳則社長は「今年も官需、民需と厳しい状況が続き、元気がない状態。しかし、その状況でも積極的に手を打ちたい。省エネやCO2削減になるような商品の提案などを行いたい。顧客の業務効率化のための提案をし顧客満足度を高める1年にしたい」と抱負を語った。

  盛岡中央工業団地協同組合の西野利夫代表理事は「原油や資材が3割、4割などの高騰だが末端価格に転嫁できない。転嫁すれば他社と取り引きする会社も出る。経営的に大変苦しい。この先の景気の見通しも立たない。限界にある企業もある」と厳しい見方を示した。

  カワトクの川村宗生社長は「今の国内の経済状況では良くて前年並みではないか。中央では再編の渦にあり、地方にも起こり始めた。中央資本の地方への進出も相次ぎ、地方の企業はディフェンスしている。危機をチャンスと考えたい。この危機に直面してどのような展開を図るか。3年後、5年後を見据えて考え行動したい」と冷静に分析した。

  東北銀行の浅沼新頭取は「悪い悪いと経営者が言うのはどうか。悪い状況を良くするような気持ちをまずしっかり持ちたい。そして工夫し知恵を出し合う。自社の強味、地域の強味を再確認し強味を発揮する。当行ではその気持ちをベースに、県内の各産業が元気を出し、頑張れるよう提案して成果を出す1年にしたい。県境を越え、考え方が同じ金融機関とは業務提携なども行いたい」と話していた。

本ページ掲載内容の無断転載を禁じます
ホームページに関するお問い合わせ、取材に関する情報は
E-Mail:hensyuu@morioka-times.com
盛岡タイムス宛てにお願いします