今週の1冊は、かの地での呼び名「スノーマン」としてもおなじみの、冬の定番絵本です。…帽子とマフラー、ミカンの鼻、石炭の目。主人公の男の子によって形づくられていくさまは、日本のものと変わりません。…たったひとりで作ったにしてはなかなかの大作に、愛着がわくのも無理からぬところ。雪像に限らず、こういう感情には誰しも覚えがあるのではないでしょうか?
さて男の子は、日が暮れ、夕食が済み、ベッドに入っても、ドアの外に直立するゆきだるまが気になって仕方ありません。夜も更け、ベッドを抜け出して窓の外をのぞいてみると…。
雪塊に命を吹き込んだのは、男の子の思いなのでしょうか? ともかく、不思議な一夜はこうして始まりました。子犬のように無垢なゆきだるまとなら、家の中も遊園地。そしてひとしきり遊ぶと、ゆきだるまは、お礼にとばかり、男の子の手を引いて、空へ。…凍えるばかりのはずの冬の夜空。手の先も足の先も、きっと冷え切っているに違いないのに、夜が明けて、別れの時が来ても、その温もりだけは、男の子の胸に残るのです。
【今週の絵本】『ゆきだるま』R・ブリッグズ/作、評論社/刊、1050円(税込み)5歳〜(2006年) |