2008年 2月 13日 (水) 

       

■  〈08年度県当初予算〉厳しさ増す台所 緊縮編成を読み解く

 【解説】08年度県予算が緊縮型予算になるのは大方の予想通りだった。県が本格的な予算編成に入った1月時点で示した中期財政見通しでは08年度から3カ年で510億円の財源不足が見込まれ、基金取り崩しや歳出削減などの財源対策を講じてもまだ総額202億から142億円の財源不足があった。

  達増知事が査定を終えて「県財政の底が抜けないように予算が組めるかと当初心配された」と語っていたのは厳しい台所事情を実感した言葉だったろう。新年度予算編成から従来の部局予算枠を廃止し全庁的な調整の下で選択と集中を強化したのも、前年度までよりも厳しさが増した結果と読み取れる。

  心配された財源不足も新たな中期財政見通しでは今後3年間は解消できるめどが立ったと、県では説明する。しかし、財源対策は人件費の特別減額による年平均約21億円の歳出削減や財政調整基金など主要3基金からの129億円取り崩しという、特例的な方法に頼った面は否めない。

  それでも新年度予算はプライマリーバランスの点で77億円の赤字にならざるを得なかった。中期財政見通しでは3カ年で38億円ながら総合的には黒字にすると計算している。しかし、11年度以降の展望は不透明だ。基金残高が災害対応等に備えた「必要最小限」のものとなっては、収支均衡のためにはもはや使えない。職員給与の減額は何度も使える手段とは言い難く、不安は残されている。

  不安材料の一つが県債残高。07年度末の県債残高見込みが約1兆4019億円に対し、08年度末は約1兆4097億円に増える。

  県が1月に県議会へ示した公債費推移の試算によると、借換債を除く公債費は09年度1033億円、10年度1089億円。ところが11年度は1182億円、12年度は1228億円と増加、13年度には1329億円となり14年度は1397億円まで膨らむ。県債残高は減らしていく方針だが、毎年度の公債費は今より重くのし掛かりかねない。

  達増知事は今予算を「希望創造予算」と称した。危機を希望に変えると唱えて就任し、07年度を含めて4年間の重点的施策を盛り込んだ「いわて希望創造プラン」を推進する第一歩と位置づける。

  予算には「希望の芽を守り育てる」と枕詞が付く。そこには県の施策が誘い水となって民間活力や市民パワーが県勢をけん引する力となってほしいという狙いが透けて見える。「地域の総力を結集する」という意図は理解するものの、こと県財政に関しては希望の芽はまだ見えないどころか絶望の芽が顔を出しかねない。

  予算という水を出しただけでなく、知事をはじめ県がより一層知恵や労力という肥料を提供することが望まれる。内需拡大など産業振興によって県民所得が向上に転じ、県勢発展にも県税の増収につなげるためにも、絶望の芽が出るの防ぎ、希望の芽を枯らさず成長させてほしい。

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