盛岡市三本柳の盛岡赤十字病院(沼里進院長)は来年5月、同病院内に緩和ケア病棟を新設する。13日に沼里院長、緩和ケア病棟設立準備委員会委員長の旭博史副院長らが記者会見し建設計画を説明した。末期がんなどの痛みを和らげ、充実した時を過ごすための緩和ケアは、患者や家族のQOL(生活の質、命の質)を高める上で重要な役割を果たす。しかし、県内の専門病棟はわずかで拡充を求める声が強かった。盛岡医療圏の中核病院の一つに専門病棟が完成することで、緩和ケアに対する理解の促進も期待される。
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盛岡赤十字病院緩和ケア病棟完成イメージ図 |
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新設する緩和ケア病棟は鉄筋コンクリート造り平屋建て、延べ床面積1422・5平方メートル。全室個室で22床を設ける。既存病棟に隣接する庭園(逍遥遊庭・しょうようゆうてい)を望める位置に建設し、多目的ラウンジや食堂、浴室、家族室、ボランティア控え室なども整備。患者やその家族が「もう一つのわが家」として心身のケアに専念できる施設を目指す。
スタッフは医師2人(うち専任医師1人)、看護師22人、医療クラーク1人を予定。昨年から院内で活動している緩和ケアチームも連動し、薬剤師や管理栄養士、ソーシャルワーカー、理学療法士、ボランティアらが加わった手厚いケアを行う。
「緩和ケア病棟」としての厚労省の認可基準を満たし、医療保険が適用される。緩和ケアも高額医療費助成の対象となるため、患者の実費負担は一般病棟に入院した場合と変わらないという。
事業費は約4億8千万円を見込み、今年7月に着工、来年3月に完成予定。病棟の完成を前に今年4月からボランティアとの勉強会を開始。10月からは緩和ケアについて患者や家族の相談に乗る「緩和ケア外来」をスタートさせる。
盛岡医療圏では同市中太田の孝仁病院が10床の緩和ケア病棟を設置。岩手医大や県立中央病院などで緩和ケアチームが活動している。全県的には一関市の県立磐井病院が緩和ケア病棟を設置しているほか、09年春に開院する(仮称)県立花北統合病院が24床の設置を予定。県立二戸、久慈、釜石病院がそれぞれ1〜6床の緩和ケア病床を保持している。
しかし、施設が少ない上、専門スタッフが十分に確保できないなどソフト面でも課題があり、患者や家族の高まるニーズに応えきれていないのが実態だ。
盛岡赤十字病院でも1年間で亡くなる患者約250人のうち半数はがんという。沼里院長は「われわれが手を尽くしても、がんが再発し苦しむ方は少なくない。緩和ケアは人道・博愛の赤十字精神にも合致した取り組み。急性期病院としての役割に加えて終末期医療に対しても地域の高いニーズにこたえていく必要がある」と話している。 |