上り坂、下り坂そして人生には「まさか」の坂がある。そんな、まさかの坂を味わった。
年末の長野のライブを終えて打ち上げの後から、体調不良に陥って、何とか盛岡に戻った。
そのまま病院に直行して、それからなんと41日間にわたる闘病生活となった。
その入院生活のうち、35日間は食事ができず点滴だけで生きていた。今の医学では食事をしなくても生き続けることを身をもって体験したが、あまりうれしい経験ではなかった。
さて、開腹手術後約2週間で退院となったが、体力が随分落ちている。特に足は随分弱っていて、家の階段を登るのも一苦労。そしてピアノに向かってみた。なんと指が動かない!集中力もないが、指の力も随分落ちている。少し焦ってきた。
実は退院から3日後に仕事が入っていたのだ。昨年末から決まっていた仕事で、退院が間に合わなければ代役を立てるつもりだったが、病院のドクターの協力も得て、出演を承諾した。という訳で、3日間必死で鍵盤に向かい、何とかステージをこなすことができた。
さて、今回の闘病生活で一大決心したことがある。僕にとってはトレードマークだった、くわえたばこでの演奏をやめることである。これは僕のピアノの師匠から受け継いだ性癖だった。実は手術の後、肺炎になって随分苦しい思いをした。そのときにドクターに言われた。「たばこ吸ってましたね。喫煙者はなりやすいんです」
そんな訳で、決心をしたが「のどもと過ぎれば…」にならなければいいのだが。 |