箱が森 七つ森とは 仲あしき な
れなるをもて かゝる たはぶれ。
〔現代語訳〕箱が森よ、七つ森とは仲が悪い、お前さんだからこんなオフザケをするんですねぇ。
〔評釈〕『校友会会報』第三十四号に「銀縞」で掲載された「箱が森七つ森等」十三首中の四首目。この一連の中では、「箱が森」を直接歌ったものは、冒頭の四首であり、その四首目でもあるが、「歌稿〔A〕」、「歌稿〔B〕」からは脱落している。一連は、句切れを「句読点」ではなく「空白」で示しているため、空白にも微妙なものもあり、抽出歌もその一首。結句「かゝる たはぶれ」の「かゝる」も分かりにくい点が残るが、前後にある「箱が森 たやすきことと 来しかども 七つ森ゆゑ得超えかねつも。(483歌)」「おきなぐれ とりてかざせど 七つ森 雲のこなたにひねくれし顔。(488歌)」に対応する内容だと見た。ただし、主語は「七つ森」の方が意味が通るというのが筆者の立場。
(盛岡大学学長) |