2008年 3月 3日 (月) 

       

■ 岩手銀行に外資が注目 英投資会社が6%超取得し筆頭株主に

 英国の投資顧問会社シルチェスター・インターナショナル・インベスターズ・リミテッド(本店ロンドン、スティーブン・バット代表)が岩手銀行(高橋真裕頭取)の筆頭株主になったことが分かった。県内企業で外資が筆頭株主になったのは初めて。同行は「グローバル経済の中で高い評価を受けた結果」と話す。今後も資本調達のグローバル化と地場企業への積極的融資を推進する構えを見せながら、株主への積極的な還元策なども打ち出すという。

     
  岩手銀行の英文アニュアルレポート(年次報告書)  
 
岩手銀行の英文アニュアルレポート(年次報告書)
 
  シルチェスター社は、主に年金基金を運用した投資会社。07年9月に同行発行済み株式(1909万7786株)の5・01%を取得し、三菱東京UFJ銀行の4・99%を越えて筆頭株主に躍り出た。その4カ月後の今年1月末までに約20万株を買い増しし、160万3200株を保有、6・09%を占めている。

  シルチェスター社はここ数カ月、国内の有力地銀の株式買い付けなどを行っているという。茨城県の常陽銀行、沖縄銀行などでも筆頭株主になった。

  井沢良治岩銀理事総合企画部長は「当行の健全性、収益性など経営のパフォーマンスが海外から高く評価された結果と見ている。買い増しもさらなる当行の将来性などを判断した結果。年金基金運用の安定的な投資先と見られたようだ。長期保有となろう」と説明する。

  この1年間ににシルチェスター社の関係者が2度、同行を訪問している。「内容は守秘義務があるので話せないが、当行の経営成績がさらにアップするよう提言はあった。緊張感を持ちながら互いに良い関係を築くことで話が進んだ」と井沢部長。

  同行では世界的な格付け機関のS&P(スタンダードアンドプアーズ)のシングルAフラット(上位3番目)を取得し2回更新した。英文のアニュアル・レポート(年次報告書)も作成し、首都圏ではIR(投資家向け広報)を行い、外資系企業にも説明している。

  井沢部長は「S&Pは外資が当行を評価するための有力な指標の一つ。英文で記載された経営成績や指標なども参照するだろう。もちろん有能なアナリストもおり独自な分析も」という。

  同行の07年3月末の外国人法人等の株式保有率は11・87%。08年末で約13%の見込み。外資の株式保有率は制限されており、1社1金融機関の株保有は20%までが限度。20%以上保有する場合は金融庁の許可が必要になる。

  「日本の金融機関は公的な面もあり保護は必要。ただ当行でも今後さらに買い増しや新規の外資が買い付けるケースは出よう。さらに比率は高まろう。有力な国内地銀の中には28%、35%などの高比率もある。これが今の潮流」という。

  同行では2月28日から25万株(発行済み株式総数に対し1・31%)、20億円を上限に、自社株の取得を開始した。既に自社株は37万株6078株を取得しており新たな自社株買いで、資本効率の向上を通じ、株主への利益還元、機動的な資本政策(金融再編への備え、IT投資などへの対応)を行う計画。

  井沢部長は「当行が買うことで需給関係から株が上がり株主に高配当で還元できる。07年度の配当性向も株式還元率もアップする」という。同行の株主総会は6月。シルチェスター社が参加するかどうかは分からないという。

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