寒さが厳しい日が続きますが、それでも日差しに時折、春の気配が感じられるようになってきました。
夜空の方はといいますと、地上よりひと足早く春が訪れています。日が沈んであたりが暗くなるころには、東の空にしし座が、主星レグルスのそばに土星を従えて上っています。しし座と並ぶようにして、北東の空にはおおぐま座の北斗七星の慣れ親しんだ姿を目にします。
天頂付近に目を向けてみると、ふたご座とおうし座の間に、昨年の暮れから地球に接近していた火星が、遠ざかりながらもまだ赤く怪しい魅力をふりまいています。望遠鏡を向けますと、ひところの半分位の大きさになっていて、ちょっと寂しい気がします。2年後の接近が早くも待たれます。
そうしているうちにも星座は移り行き、東の空にうしかい座やおとめ座といった、いかにも春を告げるにふさわしい星座たちが登場してきます。うしかい座の主星アルクトウルスは天頂付近を通過していく星なので、長い期間にわたって見ることが出来、今年10月末ころまでのお付き合いとなります。
ところで3月14日の夜9時35分ころ、めずらしい天文現象が起こることになっています。それは小惑星が恒星の前を横切りながら星の光をさえぎるという、「小惑星による恒星食」という現象です。
小惑星はDevosaという名前の11等星で直径63キロメートル、恒星はおとめ座のHIP59545という符号のついた7等星です。予報では盛岡近辺を中心にした南北に数十キロ位の幅で、東西に帯状の範囲(掩蔽帯〔えんぺいたい〕と言います)の中で見られます。
ただ、あくまで予報であって誤差も結構あるでしょうし、果たしてどうなるか期待と緊張が高まります。
当日は盛岡市内で、わたしども盛岡天文同好会と仙台天文同好会のメンバーが合同で観測会をもつ予定です。運良く掩蔽帯の中心で観測すれば、およそ6秒間の間、7等の恒星が4等級分暗くなると予想されています。恒星は空さえ良ければ双眼鏡程度でも見ることが出来ます。
ちなみに恒星HIP59545の位置は次の通りです。詳しい星図をお持ちの方は照合してみてください。〈赤経12h12m42、084s 赤緯− 02 28 22、〓20〉
(盛岡天文同好会会員) |