■ 「不思議な魅力」と評価 岩手大学大学院の千葉さんが木版画大賞
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千葉さなえさん |
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岩大大学院版画研究室2年の千葉さなえさん(24)がこのほど、栃木県鹿沼市立川上澄生美術館主催の第14回木版画大賞に初めて出品し、第1位の大賞を受賞した。出品対象を18歳以上40歳未満に限る同賞は、木版画に取り組む若手作家にとっての登竜門。受賞式は8日、入選以上の作品が飾られる展覧会は9日から23日まで、鹿沼市文化活動交流館ギャラリーで開催。大賞受賞者には同美術館での個展が用意されている。
今回は全国各地から82点の作品が寄せられ、規格外の作品4点を除き78点で審査を実施。5人の審査委員によって大賞1点、準大賞3点、入選40点がそれぞれ選ばれた。今回から新設された40歳以上の部には29点の応募があった。
千葉さんの受賞作「ある日、道の真ん中で」(縦約60×横80センチ)は2版を使い、7色の水性インクで刷り上げたもの。「人間が存在する以前から繰り返されている連鎖に美を感じます」とコメントを添えた。
審査委員長の小山松隆さん(木版画家)は「これからの制作にこのテーマがどう膨らんでいくのか期待しています」と講評。練馬区立美術館副館長の横山勝彦さんからは「審査当初には目立たなかったが、だんだんと良く見えてくるという不思議な魅力を感じました。表現もまだ稚拙ですので、少し弱いけれども、これからさらに展開する可能性を感じさせる」と評された。
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受賞作「ある日、道の真ん中で」 |
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千葉さんは大学3年から版画研究室に所属。主に銅版画を中心に制作を続けてきたが、大学院修了を前に「自分の中で一度、リセットしたいと思った」という。
大好きだった銅版画ならではのマチエール(材質感)や繊細な感じ。だが「今はどかっとしたものを作りたい」と思った。作品に力強さを求めたとき、木版画にたどり着いた。
画面全体に散りばめたのは、植物や動物を連想させるモチーフ。自身が生まれ育った藤沢町の山や自然の原風景から、近年声高に叫ばれている環境問題を意識。「リサイクルといっても、人間が作るものは回っていかない。でも自然を見ると無駄なく循環している。そういうところがいいなと思う」と千葉さん。植物や動物、目には見えない菌類なども含めた自然のサイクル、食物連鎖のようなイメージで制作した。
「大賞に選ばれるとは思わなかった。今回の結果はうれしいが、その次がどうなるかは自分でも予測がつかない。受賞式で審査員の方から講評を聞いて、今後に生かしたい」と話していた。 |
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