2008年 3月 13日 (木) 

       

■  盛岡市の谷藤市長、言い回しが慎重に 「広域連携」トーンダウン

     
  広域連携に対する谷藤市長の心中はいかに(写真は2月26日の所信表明)  
 
広域連携に対する谷藤市長の心中はいかに(写真は2月26日の所信表明)
 
  「胸襟(きょうきん)を開いて議論したい」。盛岡市の谷藤裕明市長は広域連携について、開会中の市議会でこのフレーズを多用している。市議は広域連携の先にある合併をにらみ、もう一歩踏み込んだ発言を引き出そうとするも空振り。市側は年度内にも盛岡広域8市町村長との懇談を実現させる意向だが、周辺町村側は合併の見え隠れする連携に抵抗感が強い。町村の意向を尊重して慎重な谷藤市長。議会との応酬から心中を探る。(大崎真二記者)

 「用事がなくてもお茶を飲みにいく。そういう首長たち同士の話し合いが必要で、それが広域連携の重要な要素でもある」。鈴木俊祐氏(改革)は6日の一般質問で、市町村長間のコミュニケーション促進を求めた。

  2月18日に広域市町村長が招かれたある式典。予算公表や議会全員協議会を理由に谷藤市長も代理の幹部も欠席した。

  鈴木氏は「なぜ市長は来ないのかと近隣町村長から言われた。『市長選の応援に行ったけれどもその後は用事がないと会えない。何もなくても来れば茶の1つでも出す』という首長がいる」と促した。

  谷藤市長は「機会を見つけてそれぞれの地域の持っている課題を肌で感じることは大事なことであり足を運びたい」と応じた。

  千葉長進氏(盛友会)は5日の一般質問で「旧玉山村との合併からあまり時間も経過していない中、合併への各町村の温度差もいろいろだが」と心境を尋ねた。

  谷藤市長は「それぞれの持っている地域の魅力を自助努力で磨き出す中で、連携した方がいいというものがこれから出てくる。その機会を積み重ねる中で、思いを共有するに至ったとき、そういう方向性が見えてくるものと期待している。相手のあることであり、そういう思いを持ち続けながら目指す方向性を願い、胸襟を開いて連携したい」と答えた。

  前半部分は市長選前から繰り返し述べられている。一方で、選挙時盛んに提唱された50万都市構想や公約にも掲げた年度内の5市町村連携組織の設置はいささかトーンダウンしている点は否めない。市議会にも忸怩(じくじ)たる思いを抱く議員は少なくない。

  嶋貫尚氏は同日の再質問で「わたしとしては広域連携の展開は最終的に合併にいくという気持ちがある。滝沢村のアンケートがあのような形(合併反対6割)で出ると、当分無理だとも思う」と分析。

  そのうえで「広域で一緒に仕事をして積み重ねないと今後隣接町村との合併はなかなか見込めないし、相手が合併しなければという風にならない」と述べ、インパクトのあるキャッチフーズなど、合併に向けた強力な「一押し」を迫った。

  谷藤市長は「5市町村長懇談の中で、合併はともかく盛岡がもっとリーダーシップを発揮してもいいじゃないかと励ましもいただいた。北東北の要をなすとの強い自覚を持ち、広域連携を深めながら、盛岡の広域の位置づけを明確に出せるよう今後とも胸襟を開いて議論したい」と述べた。

  合併新法の期限2010年3月まで残り2年。旧玉山村との合併で中核市まで到達した盛岡市。北東北の要となるために谷藤市長はどんな「次なる手」を打つか。差し当たっては8市町村長の懇談でお手並み拝見か。

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