歩道岩手の会(菊澤研一会長)の第18回短歌大会が15日、盛岡市中央通3丁目の共済ビルで開かれた。会員から寄せられた86首について、5人の選者が作品評を行い各賞を決定した。天賞は板宮清治さん(金ヶ崎町)の「絶え間なき夜の吹雪にめざめしがその音ききてふたたび眠る」が受賞。地賞には山本豊さん(盛岡市)の「唐突にわれ逝くこともあるべしと思ひ臥所に長く覚めをり」、人賞には石川節子さん(同)の「降る雪をとどめぬまでに切り立ちてアイガー北壁空限りたつ」がそれぞれ選ばれた。このほかの結果は以下の通り。(敬称略)
◇佳作
「人声に似し風の音聞きながら母を想ひて針運びをり」石川久子(盛岡市)
「杖たよるわが所作知らぬ夫思ふ雪降り止まぬ独りの夕餉に」加藤洋子(同)
「病室に夫の残しし粥を食むこの日常をあやしむとなく」折居路子(同)
「春ちかきゆふべの空の黒雲の縁おごそかに光りかがよふ」勝又暁子(同)
「打ち寄する波のしぶきは断崖に凍りて朝のひかりを返す」青木綱子(奥州市)
◇選者賞
▽菊澤研一賞「自らを許す心と思ひつつ窓こめて降る雪を見てをり」高橋洋子(盛岡市)
▽菅原照子賞「黒々とひかる海原その間にま月はしづかに漁火照らす」高本輝江(同)
▽高橋緑花賞「義父ははの記憶息づくわが家を毀つ思ひの長く揺れをり」岡田紘子(同)
▽角掛典子賞「百歳の父を弔ひ帰る夜満月のひかり身に沁みとほる」佐川知子(同)
▽八重嶋勲賞「家族写真見つつもっとも老いをりと母は百二の己が顔いふ」女鹿洋子(同) |