2008年 4月 8日 (火) 

       

■  〈イタリアンチロルの昼下がり〉41 及川彩子 レオナルドの視点

 イタリアの誇りは、15世紀の天才レオナルド・ダ・ヴィンチ。その傑作絵画の一つが、ミラノのサンタ・マリア・グラツエ寺院の「最後の晩餐」です。観光客は、後を絶ちません。

     
   
     
  ミラノは、芸術文化と経済の中心都市。ここアジアゴから、車と特急電車を乗り継いで3時間半。日本領事館があるので、さまざまな申請や手続きに、時々訪れなければなりません。

  先日も所用でミラノに行った折、子供たちを連れてレオナルド・ダ・ヴィンチ科学技術博物館を訪れました。「最後の晩餐」のある教会から、歩いて10分。11世紀建造の修道院を利用して開設した巨大な博物館で、古代から現代まで、あらゆる科学技術を紹介しています。平日は、いつもイタリア各地から見学に来る小・中学生たちでいっぱいです。

  その2階がレオナルド大展示室。船、橋、浮き橋、くい打ち機、機織、プロペラ、裁断機、飛行用の羽、人体解剖図…どれもレオナルドの図面からの再現です〔写真〕。

  レオナルドが14歳で弟子入りした芸術工房は、絵画や彫刻、建築、土木等の技術者集団でした。絵を学びながら物理科学に興味を持つのは、自然なことだったのでしょう。

  不器用で鈍重、正攻法でしか仕事のできなかったレオナルドは、画法の工夫より画材の研究や、血が通う体の表現のため、人体解剖に研究の目を向けたとも言われます。

  展示場を巡ると、どれも好奇心と、悪戯(いたずら)心から生まれた作品のように思えてきます。そんな遊び心のひらめきから、レオナルドは、32面体を考案しました。紙を細長い扇形に折り、ハサミで切れ目を入れ、それを開くと花火模様になる…その仕組みを3次元に応用したのです。

  32面体といえば、今のサッカーボール。従来のボールは、正六角形の組み合わせでしたが、より球体に近づけるため、32面体を取り入れたと聞きました。イタリアサッカーには、そんな誇りもあるのです。

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