■ 周知不足の後期高齢者医療制度 保険証「紛失」「不着」のトラブルも
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後期高齢者医療制度が1日から始まった。県内では75歳以上の被保険者ら約19万人が対象で、新たな保険証が発行された。しかし、制度の周知不足のせいか紛失や未確認が相次ぎ、9日までに累計1千件が再交付された。今後、医療機関への受診や身分保証のために使用する段階で再交付の申請が相次ぐ可能性もある。15日には年金から保険料を天引きする徴収があり、被保険者の8割が対象になっている。徴収をめぐる詐欺行為などの情報もあり、混乱はしばらく続くとみられる。
県後期高齢者医療広域連合(連合長・谷藤裕明盛岡市長、構成35市町村)事務局によると、新たな保険証は3月17日以降、市町村単位で送達、交付された。対象は75歳以上(老人保健制度で障害認定された65〜74歳を含む)の18万6690人。
このうち市町村窓口で「保険証が届いていない」などと再交付を申請した被保険者は1日から9日までで累計965件。盛岡市は被保険者2万9446人のうち63件あった。
今後、被保険者が病気などで医療機関を受診したり、借金の身分保証のためなど、実際に保険証が必要になった段階で初めて紛失や未確認が発覚するとみられる。広域連合事務局ではこうした問い合わせがさらに出るとみて再交付に応じていく。
再交付は被保険者か代理人が市町村の担当窓口で申請。本人など身分確認できるものと印鑑が必要になる。発送か直接受け取るかいずれかの方法による。
医療機関を受診する際、未送達や紛失などにより保険証を不所持でも、医療費は所定の自己負担額(一般1割、現役並み所得者は3割)で済む。各医療機関が市町村や広域連合に被保険者番号を照会して対応している。
また交付した保険証が返送されるケースもある。県全体では累計で1200件に上った。保険証や制度に関するパンフの入った封書が「転送不要」となっているのが主な理由。引っ越しや住民票の住所あてに送ったものの所在地が別だった。
精査により9日までに121件まで減った。このうち盛岡市は410人件が返送され、残り61件。転出入届けにより、残る121件も解消されると広域連合事務局は見込んでいる。
保険料の徴収方法は、年金からの天引きによる「特別徴収」と納付書による「普通徴収」の2種類を併用している。同時に後期高齢者医療制度では被保険者一人ひとり個別に保険料を支払う必要がある。制度開始当初に当たり、従来の被扶養者は保険料免除などの激変緩和措置もある。
15日には1回目の特別徴収が始まる。対象は約19万人のうち一定条件を満たす8割が該当する。
川口展世広域連合事務局長は「制度の細部を知らなくても制度の新設を認知してもらえば、不明な点は広域連合や所在市町村に問い合わせてもらえばいい。保険料額など今まで通りの医療サービスが受けられるかどうかの関心が高い。保険証を所持していなくても被保険者は医療を受けられる資格がある」と話している。
保険証交付や保険料徴収などに伴い、既に県内で被保険者から金をだまし取ろうとする架空請求など詐欺まがい行為の情報も出ており、注意を呼びかけている。
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