2008年 4月 17日 (木) 

       

■  〈お父さん絵本です〉205 岩橋淳 せいめいのれきし

 先週にひきつづき、石井桃子さん訳の絵本をご紹介します。

  太陽系の誕生から現代にいたるまでの気の遠くなるような時間を、生命の誕生と進化をテーマに5幕の舞台に仕立てた、壮大な絵本です。作者はこれも石井さん訳『ちいさなおうち』などでおなじみ、ヴァージニア・リー・バートン(1909〜1968)。自然と人間との共生をテーマにした作風で知られる、アメリカを代表する絵本作家のひとりです。

     
   
     
  地球誕生までの数十億年昔をプロローグとし、古生代、中生代、新生代、そして現世、さらに本作執筆当時の春夏秋冬。視点を自在に操り、ダイナミックな環境の変化と、それに伴う動植物の盛衰が、読者を劇場に集う観客に見立てて平明に語られます。本作の執筆から40年以上が経ち、ここに描かれていることすべてがデータとして通用する訳ではありません。しかし、時間のスケールやさまざまな生き物の変容と自分たちが今あることの不思議さと必然さを実感させ、さらには学び究めることへの興味を募らせる構成は科学の入門書としての役割を十二分に果たしていると言えるのです。

  【今週の絵本】『せいめいのれきし』V・L・バートン/作、石井桃子/訳、岩波書店/刊、1680円(税込み)8歳〜(1962年)

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