2008年 5月3日 (土)
■ 〈葛根田土砂崩落〉斜面覆い尽くす土砂 報道機関に現地説明
土砂崩壊の原因などを説明する岩手大学の井良沢道也准教授
葛根田地熱発電所周辺の国有林で発生した土砂災害の合同取材が2日、雫石町西根高倉山の現地で報道機関を対象に行われ、国土交通省岩手河川国道事務所や林野庁盛岡森林管理署など関係機関から現状と応急対策について説明があった。
土砂崩落の現場は山の上部が地表の樹木ごと大きく滑落し、崩れた土砂が斜面を下まで覆い尽くしている状態。崩落した土砂はパイプなど発電所関連施設の一部を押し流し、葛根田川にまで至っている。崩落直後には斜面から蒸気の噴出も見られたが、今回の現地取材では目立たなかった。
現在は、国交省や林野庁による応急措置が進められており、斜面には雨水などによる土の流出を防ぐための措置としてブルーシートが設置された。監視カメラや警報器など現場の異常を感知するための計器類も整備され、24時間体制の監視が続けられている。一部、河道の土砂撤去作業も始まった。
合同取材で岩手大学の井良沢道也准教授は今回の土砂崩落について「かつて大規模な地滑りがあった末端部分が融雪水によって崩壊した」と説明。安山岩や玄武岩、火山噴出物などからなる地質が地熱により熱変成されたところに、融雪水が浸透したことが崩落の原因として考えられるという。
現地では20年ほど前にも土砂崩落が起きており、「今回の崩れに関しては地滑りというよりは過去の大規模崩壊物質の再崩落ということになる」とも話した。当面は斜面のたい積物が梅雨時期を迎えて流動化すること、再崩落した場合に河道閉そくが進む可能性などが心配されることから、危険性の高い個所や葛根田川流域の監視の必要性を強調した。
今回の土砂崩落に伴う応急対策で、2日までに国交省には直轄砂防災害関連緊急事業として3700万円、林野庁には国有林野内直轄治山災害関連緊急事業として6300万円が予算化された。
恒久対策としては表面の土の移動を防ぐ土留工の設置、地滑り防止のため硬い岩盤にアンカーで地表を固定する措置などが検討されているが、今後の状況を見ながら国交省と林野庁で連携した取り組みが行われる。
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