2008年 5月6日 (火) 

       

■  〈夜空に夢見る星めぐり〉210 八木淳一郎 春の星空と盛岡星まつり

 5月になりますと、星空の方もすっかり春の星座が主役になっています。春の星座を巡るときの目当てには、春の大三角や春のダイヤモンド、そして春の大曲線と呼ばれるものがあります。春は冬や夏と違って明るい星が少なく、しかも黄砂などいわゆる春がすみのために、夜空もなんとなくボーッとかすんでいることもありますから、星座を見つけるにあたってこれらの目当てが役に立ちます。

  まずは春の大曲線から始めるのがいいでしょう。これは、あの北斗七星が出発点ですから親しみも感じます。北斗七星のひしゃくの柄のカーブを延ばしていくと、明るい星にぶつかります。うしかい座のアルクトウルスといって0等星の星です。え?0等星? 実は、1等星の2・5倍明るいものは0等星で、他に七夕のおりひめ星として知られること座のベガも同じ明るさですので、その頃に両方を見較べてみて下さい。アルクトウルスは距離36光年。36年前を思い出して下さい。その頃にアルクトウルスを出発した光が今やっと届いたのです。36歳の人は自分が生まれた時の光ということになります。さて、さらにカーブを延ばしていくと白っぽい1等星、おとめ座のスピカにたどり着きます。わが国では古来、アルクトウルスとスピカはめおと(夫婦)星と呼ばれています。スピカは真珠星の美しい和名がありますが、見ているといかにもぴったりの清楚な感じのする星で、この星がおとめ座の主星でよかった、と妙に安堵します。ちなみにスピカは距離約400光年ですから、ガリレオが初めて望遠鏡を星空に向けたころの光を今、私たちが見ていることになります。このスピカとアルクトウルスと、しし座のしっぽにあたる星であるデネボラという名前の2等星の3つで出来るのが春の大三角です。そしてさらに、これにりょうけん座の主星である2等星のコル・カロリという名の星を加えることで、春のダイヤモンドが出来上がる、という訳です。コル・カロリはやや暗い星ですが、北斗七星のひしゃくの柄の一番はしの星から南側に直角の方向にたどると見つけることが出来ます。

  こうしてみますと、春の星巡りに一番大事なのは「めおと星」の2つということになりましょうか。難なく春の星々を見つけられるようになったころは、星空も真の季節を迎えているかもしれません。星空は毎年巡ってきます。一度に欲張ることなく、一つずつ自分のものにしていきましょう。

  ところで、連休明けの5月10日と11日の2日間、盛岡市本宮の中央公園で「盛岡星まつり」というイベントが予定されています。街明かりの為に空が少し明るいのですが、周囲の緑に囲まれて星空の広がりがすばらしい風景を醸し出している所です。星空案内人もたくさんいますので、この機会に春の星座に親しんでみてはいかがでしょうか。

  (盛岡天文同好会会員)

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