■ 〈岩手競馬民間委託〉交渉の行方は 日本ユニシス矢島洋一氏に聞く(上)
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矢島洋一所長 |
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岩手競馬の民間委託拡大をめぐり、県競馬組合と優先交渉先の日本ユニシスとの間で協議が続いている。来年度の開催については農水省との調整が必要なことから、両者の協議は10月がタイムリミットだが、収益保証や変革手法をめぐって両者の主張は平行線をたどっているとも伝えられる。競馬組合の現行手法ではいずれ限界になるという見方は多いが、競馬事業をほぼ全面的に民間に委託しようというのは国の法改正で認められたばかりでまだ事例はない。民間委託にはまた別のハードルが用意されているようだ。交渉相手になっている日本ユニシス産業機構研究所の矢島洋一所長に、民間側の言い分を聞いた。(関口厚光編集局長)
−日本ユニシスというとコンピューター会社というイメージがあるが、競馬事業も手掛けているのか。
矢島 うちの会社のスローガンは地方再生をお手伝いするということです。自治体や政府の手伝いをしてきた。totoの再生もぼくたちがやった。いろんな地域で地域再生にかかわっている。
−岩手競馬にかかわることになった場合、産業機構研究所として面倒をみるということになるのか。
矢島 多分、ならないでしょう。今のままでいくとSPC(特定目的会社)というものを作るかもしれません。東京の会社が出張ってきて事務所を作って、お金は向こうに持っていくということをしてしまうと地場産業の振興にならないじゃないですか。地元の会社でなるべく地元の人を雇用して、そこでお金は地元に返すという考え方です。
−日本ユニシスが岩手競馬に参入するメリットはあるのか?
矢島 地方競馬には16主催者があって、大井競馬場以外はみんな困ってます。地方競馬ということを考えたときに、岩手県の競馬が重要なポジションにあることは明らかなんですね。地方競馬はどこでもいわば1千人以上の会社です。そこの地域で一番大きな会社になってます。岩手に住んでいる人は知らないでしょうが、ここがおかしくなると、ほかが連鎖倒産しちゃいます。岩手がこけると間違いなく大井もおかしくなる。地方競馬全体で関連従事者は数十万人いますが、その産業がなくなってしまう可能性がある。
−岩手競馬で会社としてはもうけられるのか。
矢島 お金のことは全然考えてない。ずっと赤字ならつぶれちゃいますから、最低限、ぼくたちがご飯食べられるものは生み出さなきゃいけないですよ。でも必要以上にもうけるということはないんじゃないですか。
−収益的には難しいという話だが、岩手モデルにできる可能性はあると考えているのか。
矢島 やってみないと分からない。日本政府ができて今回初めて民間に競馬への一部参入を認めたわけですから。法律ができて民間で初めて競馬をやることになった。まだ誰もやったことがない。うまくいくなんて間違っても言えないです。
−運営の基本理念は?
矢島 柱は3本です。一つは、徹底した業務の効率化と組織体系の簡素化、減量経営しましょう。身の丈にあった競馬をということ。馬の頭数も厩舎の数も要らないです。2番目が地元ファンの確立、拡大と組織化。われわれは地元ファンがいないと定義している。信頼を取り戻す。応援団をつくりましょう。3番目が行政との連携による地場産業化。地場の企業がたいへんになったら、手を差し伸べるでしょう。競馬事業も同じです。2500人の従業員がいる産業です。
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