■ 〈岩手競馬民間委託〉交渉の行方は 日本ユニシス矢島洋一氏に聞く(中)
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−岩手競馬の問題点とはどういうところにあると考えているのか。
矢島 一番の問題は、レースを勝ちにこない馬主さんが増えてひどい競馬になったと思った。出走手当をもらって月に2回走らせれば預託金が出るから、あとは負けていいという、それで勝てなくなったら馬をつぶせばいいという発想だ。ここは賞金と手当が逆転している珍しい競馬場です。
賞金が安くなった、安いけど馬を集めなきゃいけない、番組のますを埋めなきゃいけない、数を持ってきて消化しなきゃいけない、そういう脅迫観念を持っている。レースを増やせば売り上げが増えるというのは迷信だ。今年レース増やしても売り上げは減っているじゃないですか。
レースを増やせば馬は毎週出てくれるかもしれない、それに出走手当を出さなきゃいけない、するとまた赤字になっていく。本当は減らさなきゃいけないのに増やしてる。で、やっているのは消化レースだ。そういう競馬をやっていたら競馬ファンは絶対離れます。
ここの競馬場で3着に入ってもドンケツになっても賞金は1万円しか変わらない。それで厩務員に入る手当はいくら違うかというと500円。それで本気になってやれますか。出走手当を厚くして馬が逃げないようにして、預託金とバランスをとれるようにしておくなんて、そんな逃げ腰の策をやっていたんじゃよくならない。
競馬をちゃんとやらないといけない、僕はそう思っている。
−具体的には?
矢島 僕はレース数を半分にしたいと思ってます。1着賞金はいまよりはるかに高くします。ですけど出走手当は払わないです。すると、出走手当が目当てだった馬は出てこられませんから、馬は150頭いなくなるでしょう。組合の一部にもそう話しました。ぼくの方式でやったら150頭いなくなるよと。すると「厩舎が減ります」と言う。いいじゃないですか。優勝劣敗を徹底しなかったら岩手の馬は強くならない。強くなればレースが面白くなりますからお客さんは帰ってきます。売り上げは増えます。
ほかの地区の馬主やファンは、あそこは賞金高いけど強い馬じゃないとなかなか勝てないよと思います。すると強い馬がどんどんやってきます。それまで我慢しようじゃないですか。
−厩舎の数を減らすとか、かかわっている人の数を減らすと考えているんですか。
矢島 考えてません。そこは減らなくても、仕事をやっていければいい。
−全体にかかわっている人の数を減らさずに、やり方で変えていくことが可能だということですか。
矢島 組合職員は要らないと思いますよ。仕事をやってないんだし。要らないですよ。ほしいのは現場の優秀な職人ですね。今だってぎりぎり3頭持ちなんかでやってたっていい馬は育てられないんですよ。仮に、今のレースの半分でやったら、賞典費が倍になる。分配したら収入は倍になる。少ないレース数で売り上げを上げる方法を考える。これが一番の答え。目標は1レース当たりの売上高を今の倍に増やす。
−ということは、現場は残したいが、組合のほうはイコールではないよと。
矢島 そうですね。
−具体的に競馬組合の人員縮小というのはどの程度まで想定されているんですか。
矢島 ちゃんと言えないんですが、相当数。半分もいかないかな。だって、うちも人を出すわけです。二重に要らないですし、僕たちの生産率というのは彼らよりはるかに高いですから。判決とか裁定とか検量とか、最低限組合が置いておかなくてはならない人はいるわけだけれども、これも開催のときだけでいい、毎日いてもらわなくちゃいけないわけじゃない。非常勤ですよね。
−そういう場合に職員の身分の移管はどういう形になるんでしょうか。ばんえい競馬の場合には、いったん組合を全員やめてもらってソフトバンクが作った新しい会社に再雇用してもらったわけですが。
矢島 バイアウトと言うんですが。それしかないんじゃないですか。対象は公社の職員になりますけど。組合は公務員だから。
−競馬組合の職員は、県なり構成団体で面倒をみてくださいということ?
矢島 構成員なんだから、そうするべきじゃないですか。公社のほうは財団法人なので解散したら身分がなくなるので、必要な人はバイアウトという形で吸収してあげないと事業になりませんので。全部というわけではないです。必要な業務量に対して必要な人だけ採用するということになるでしょうね。
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