2008年 8月 8日 (金) 

       

■ 〈岩手競馬民間委託〉交渉の行方は 日本ユニシス矢島洋一氏に聞く(下)

  −収益が上がった場合、県にお金を出すことになりますが、その基本的なラインというのは了解されているんですか。

  矢島 全然。金返せと言われても5年間では返せないです。ぼくらに金を返す義務はないです。義務があるのは組合です。なぜ収益保証をしなければいけないのか。もうかるかって?もうかんないです。全然もうからない。収益保証はとりあえず赤字負担。1億5千万円以上払うんですよ。

  −県民の側からすると、100年かかって金を返してもらうのか、という思いがあるわけですが。

  矢島 もし仮に少しでも利益が上がったら、ぼくたちは事業を継続させるために、それを現場に下ろしますよ。疲弊しているんですから。ぎりぎりに絞ってぼろぼろにしているんです。ちょっと金ができたら、それは絞ったところに戻さなくちゃいけないですよ。ちゃんと生活できる基盤を作って、これで事業継続できますねと、その気にならなかったらモチベーションが上がらない。まずそっちが先だ。

  −問題は、県民的な合意、理解が得られるかどうかですね。

  矢島 民間が入ったからといって、借金を肩代わりする義務はないです。組合が返すべきものです。組合はすぐ「利益が上がったらいくらくれるんですか」って言うけれども、この5年間、利益なんて上がりません。

  −県民には、岩手競馬というのは、借金も含めて県民の財産、その財産を民間の手にゆだねるということに、抵抗感もあります。

  矢島 そこに誤解があります。民間委託というのは現在も行われている。これから初めてやるわけではないです。現在もいろいろな業務を民間に委託しています。ところがそれだけではまだ不十分だから、包括的民間委託という手法で、もっと効率的にやろうということなんです。
  岩手競馬は2500人の従業員がいて波及効果も含めると年間350億円の経済効果がある産業です。つぶすということはその産業を失うだけじゃない、整理するのにさらに100億円規模の追加費用がかかる。それを負担するのは構成団体だろうから、そうなれば奥州市は赤字再建団体に転落するんじゃないですか。
  (岩手競馬の立場は)民間に再建を頼んでいるんです。このままだとつぶれるから再建を委託しているんです。そういうことなんです。組合が再生プランを持っていないから、再生をお願いすると言われて、ぼくらが再生を請け負うだけです。再生請負人というのは利益のために来ない。仕事を再生することが仕事だ。本来、コンサル料を払ってお願いすることです。それを払わずにあなたがたのほうでうまくやってコンサル料を得てくれ、と組合は言っているわけです、要は。



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