2009年 1月 1日 (木) 

       

■ 〈特集・畜産岩手のチカラ〉ブランド化する雫石牛1

     
  雫石町七ツ森の中央家畜市場に並ぶ町産の黒毛和種の子牛  
  雫石町七ツ森の中央家畜市場に並ぶ町産の黒毛和種の子牛  
  雫石町で黒毛和種の雫石牛が生産されている。繁殖農家と肥育農家の努力で少しずつ知名度が上がってきている地元ブランドだ。飼料の高騰や後継者不足などで畜産業の置かれている現状が厳しい中、おいしい肉作りを目指し続ける同町生産者の取り組みを伝える。

  温泉やスキー場、小岩井などの観光と稲作を中心とした農業の町として広く知られている雫石。岩手山ろくの豊かな自然とおいしい水にはぐくまれたこの地は、実は昔から畜産が盛んな町でもある。

  同町におけるに肉牛生産はホルスタインなど乳用に改良された牛の雄を肉牛として肥育したものが主流だった。和牛では繁殖中心から、肥育へと転換が始まったのが88年ころ。輸入自由化を見据えて子牛の生産供給地域から肉牛一貫生産産地確立に向けて徐々に切り替えが進んでいった。

  これを前に85年に、雫石町農業協同組合雫石牛肥育部会が設立された。農協合併により新岩手農業協同組合雫石牛肥育部会(前田隆雄部会長)となった組織では、生産者とJAが一体となり、肉牛の飼養管理技術の向上と普及に取り組み、合理的な経営と農業所得の安定向上を目指す。現在、構成員約30戸で約700頭が肥育されている。

  JA新いわて南部営農経済センター畜産酪農課の武田賢一課長補佐は消費者に好まれ、広く流通するためには「こだわりを持った産地が強い」と話す。同部会では飼料を胡四王と呼ばれるものに統一し、牛の状態に合わせた給餌指導を行い安定した肉質の確保に努めている。これによって肉質を表す等級は4等級以上の上物率が60%以上になった。

  一方で、飼養頭数の減少や後継者不足など抱える課題は多い。自身も生産者の一人である武田課長補佐は「地域一貫体制を大切に流通関係者や関係機関などとの連携を強め、飼養管理の徹底指導や管内導入に対する助成による頭数の増加対策を検討するなど部会員の意識改革と生産意欲の向上を図ることで、厳しい農業環境に打ち勝ち、消費者に信頼される雫石牛ブランドの強化に取り組んでいきたい」と話す。

  次回は生産者の視点から雫石牛の抱える現状と課題、今後の方向性を取り上げる。
(泉山圭記者)

本ページ掲載内容の無断転載を禁じます
ホームページに関するお問い合わせ、取材に関する情報は
E-Mail:hensyuu@morioka-times.com
盛岡タイムス宛てにお願いします