2009年 1月 5日 (月) 

       

■  岩手・宮城内陸地震で山地境界断層を確認 土井氏らの発見裏付け

 東京大学地震研究所などの研究グループは、昨年6月14日に起きた岩手・宮城内陸地震の震源断層をほぼ特定した。実験から震源より約7キロ南南東の地表付近に出現し、存在が推定段階だった断層(「山地境界断層」)だと分析。ほぼ北北東から南南西に位置する。これは土井宣夫岩手大学客員教授らが同7月に発見、命名した「板川林道地震断層列」の所在とほぼ一致しており、地元での研究を裏付ける内容となった。

 研究には、東大地震研のほか東北大大学院理学研究科、岩手大工学部の越谷信准教授が参加。昨年9月に一関市の国道342号とほぼ東西に並行して流れる磐井川沿いの11・5キロ区間で「反射法地震探査」を実施。この探査は起振車で人工的に地震波を発生させ、跳ね返ってくる反射波から地下の構造を調べる。

  東西の断面図を見ると「餅転−細倉構造線(帯)」に加え、そこから西側へ約3キロの奥羽山脈東ろくの山地と丘陵地の境界部で地表には出現しない断層(伏在断層)を複数確認した。地下でいくつかに枝分かれしていることも分かった。

  この断層は山地境界断層と呼ばれ、過去に存在が推定段階にとどまっていた。約15キロ北の胆沢川沿いでは同断層沿いに余震分布があった。グループはこれらから今回の地震を発生させた断層(震源断層)だと特定した。

  同断層は土井岩手大地域連携推進センター客員教授、斎藤徳美副学長らのグループが昨年7月に現地踏査で確認し命名した板川林道地震断層列とほぼ一致する。山地境界断層が地表に出現すると想定される地点から北北東の延長上に存在し、報告の中でも紹介されている。

  土井教授らのグループは震源から南南東6キロで、崩落した国道342号付け替え工事に伴い出現し、地表に変位をもたらした断層露頭を発見。地震直後に確認した「餅転(もちころばし)−?木立(はのこだち)地震断層列」より4キロ西で並行し、同様の変位が約500メートル区間で生じていた。

  東大地震研などのグループは、地震直後に注目された餅転−細倉構造線は山地境界断層の活動に伴って動いたと解釈している。構造線は、餅転−?木立地震断層列に該当する。

  斎藤副学長は「主要な震源断層がほぼ固まった。その後の調査でさらに複数の地表の変位も確認されている。地表に現れない断層の存在が明確になり、今後の断層調査を根本的に見直す必要があるという課題を投げかける結果となった。いずれにせよ地震発生のメカニズム解明へ一歩前進し、本県で提唱したことが実証された」と話している。

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