2009年 1月 8日 (木) 

       

■  紺屋町の番屋を守ろう 地権者に寄付を呼び掛け地域住民が運動

     
  保存・活用の取り組みが始まっている紺屋町番屋  
 
保存・活用の取り組みが始まっている紺屋町番屋
 
  盛岡市紺屋町にある旧市消防団第5分団屯所の市指定保存建造物「紺屋町番屋」を保存、活用する取り組みが地域住民ら関係者の手で始まっている。県内外に点在する地権者63人全員に、番屋を市に寄付するよう呼びかけている。大正期の建築で南部火消しの伝統を伝える市内で唯一現存する番屋だが、老朽化が激しい。関係者は今夏までに寄付を完了し、保存改修や観光資源としての活用策を市と協議したい考え。

 市は04年3月、建物の老朽化に伴い番屋そばに敷地200平方メートルを取得。紺屋地区コミュニティー消防センターを05年12月に整備した。

  番屋は地権者の所有で、当初は11人だった。その後代替わりで権利者が増え、各地に点在。権利者全員の同意を得る作業は相当の労力を要し、市への寄付など保存・活用が宙に浮いていた。

  地元の紺屋町町内会(平井興太郎会長)、市消防団第5分団(川村新分団長)、同分団後援会(下田啓太郎会長)は昨年10月9日、紺屋町番屋保存・活用委員会(会長・平井紺屋町内会長)を設立。市への寄付に取り組むことで一致した。

  まず権利者の特定に着手。11人の地権者から子孫に相続され、現在は北海道から大阪府まで該当者が63人に上ると判明した。当初の地権者1人から相続した7人が全体の9割を所有している。

  平井会長によると、相続登記をしていなかったり、相続したことを知らなかったりする該当者もいるという。このため該当者それぞれに市へ寄付するよう求める要請文を12月から送付開始。今月6日付で4度目を数えた。4月までに全員へ送付を終えたい考え。

  これを踏まえ、寄付のために登記未了の該当者に相続登記をしてもらう。そのうえで全員に相続を放棄してもらう必要がある。登記や印鑑証明などの諸経費は委員会が負担する。放棄した該当者分から順次、寄付する形式は取らない方針。

  紺屋町番屋は1891年(明治24年)、東北電力岩手支店向かいの現在地(同町4の33)に建てられた。1913年(大正2年)の改築で木造2階建て、延べ床面積159平方メートルの現在の建物になった。

  六角形の望楼を乗せ、2階に30畳の広間がある。木造洋風事務所建築の典型で、市内で唯一現存する番屋となった。1977年(昭和52年)に市の保存建造物に指定された。

  平井会長は「屯所がコミセンに移転して3年経過している。せっかくの当町内会にあるシンボル的存在であり、修学旅行生や観光客から内部を見たいとの声もある。建物があるだけではもったいない。今年の7、8月までに市への寄付を完了したい。どのように保存、利活用するかはみんなで協議し、市と相談しながら進められれば」と話している。

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