2009年 1月 9日 (金) 

       

■  盛岡市所蔵澤田哲郎展 和紙に描く

     
  澤田哲郎の墨象作品が並ぶ会場。びょうぶ作品は「潮騒」(194・5×360・5a、62年、市教委所蔵)  
  澤田哲郎の墨象作品が並ぶ会場。びょうぶ作品は「潮騒」(194・5×360・5a、62年、市教委所蔵)  
  盛岡市所蔵作品展「澤田哲郎-紙の仕事」(市文化振興事業団主催)が12日まで、盛岡市盛岡駅西通の市民文化ホールで開かれている。盛岡出身の澤田哲郎(1919〜86年)は洋画家だが、1950年代から60年代にかけては和紙に墨などを使って描く技法にも積極的に取り組んだ。今展ではその期間にスポットを当て、和紙に描かれた約100点の作品を展示している。

  生前の澤田は和紙に描いた自作を「墨象」と総称。墨のほかに油絵の具や水彩絵の具などを使った混合技法で、和紙を何枚も重ねたり、表面に紗(しゃ)を張ったりして画面に深みを出しているのが特徴だ。

  今展で最も大きな作品が、びょうぶの「潮騒」(194・5×360・5a、62年、市教委所蔵)。揮発性の高い油絵の具を使い、墨との反作用で現れる筋を生かす。奔放な筆の動きが、波のダイナミックな動きや流れをつくり出している。

  投網の名手だったという澤田。抽象的な画面には川などの自然や気象、季節感を盛り込んだほか、当時の現代美術の潮流を反映して数字や記号などを配した作品も手掛けた。

  澤田の画業は大きく3期に分けられるが、50〜60年代はそのうちの第2期にあたる。60年代のニューヨークでの個展では墨象作品も発表し、東洋的な画法として大成功。第3期には「三万マイ」を目標にサムホールサイズの制作に取り組むが、そのモチーフにつながる形の萌芽(ほうが)が、同作品群の中に既に生まれているのが見て取れる。

  午前10時から午後5時まで。

本ページ掲載内容の無断転載を禁じます
ホームページに関するお問い合わせ、取材に関する情報は
E-Mail:hensyuu@morioka-times.com
盛岡タイムス宛てにお願いします