2009年 1月 23日 (金)

       

■  男性型土器が川目A遺跡から出土 縄文後期中ごろの製作か

     
  川目A遺跡から出土した男性形土偶(左)、同時期の女性形土偶  
 
川目A遺跡から出土した男性形土偶(左)、同時期の女性形土偶
 
  盛岡市川目の川目A遺跡から全国的に見ても珍しい男性形土偶が出土した。土偶は一般的に妊婦状態の腹部や乳房などの表現から女性をモデルにしたものが多い。今回出土した土偶は、股の部分に男性器を模した突起を持つことから男性を表したものとみられる。

  縄文時代の土偶は全国で1万点以上が発見されているが、その大半が女性を表現した土偶。男性形土偶は全国でも石鳩岡遺跡(花巻市東和町)、ウサクマイ遺跡(北海道千歳市)など数点しか知られていない。同遺跡からも3年間の調査で600点以上の土偶が出土したが、男性器を表現した土偶は1点のみ。

  今回見つかった男性形土偶は頭部、上半身、足の先端が欠けた状態で出土。全長は残存部分で5・2センチ、重さ31グラム。全体のプロポーションから縄文時代後期中ごろ(約3、4千年前)のものと考えられている。今回出土したほかの土偶と使用された土は同じとみられており、男性器と乳房などの違いを除き、作りも非常に似ている。

     
  男性形土偶の出土状況(県文化振興事業団埋蔵文化財センター提供)  
 
男性形土偶の出土状況(県文化振興事業団埋蔵文化財センター提供)
 
  土偶の使用方法には祭事や儀礼のほか、おもちゃ、お守りなど諸説ある。妊婦をかたどったものもあることから主産や安産のお守りとも考えられてきた。県文化振興事業団埋蔵文化財センターの高木晃文化財専門員は「土偶は女性像であるというのが前提でいろいろな研究がされてきたので、その中にごくまれに男性をかたどったものがあるということが、土偶が作られた意義を考える上で一石を投じる」と話す。

  同遺跡は簗川南岸の段丘上に立地し、都南川目道路建設事業に伴い06年度から第5次発掘調査が行われていた。今回の発掘調査では縄文時代後期から晩期を中心とする時期の配石遺構群、遺物包含層などが発見された。

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