2009年 1月 28日 (水)

       

■ 特定大規模集客施設の出店規制に抜け穴 県が施行規則の見直しを検討

 昨年10月に全面施行した特定大規模集客施設の立地誘導等に関する条例と同時に運用している施行規則について、県が見直しを検討していることが27日明らかになった。条例に定める集客施設の適用を回避した出店の可能性が施行後、浮上してきたためだ。条例の抜け道を探って郊外に出店が進むようになれば、商業施設を中心市街地に誘導するなど適切な立地を促す条例の目的から離れることになりかねず、施行後の実情から、見直しの必要性を認識するに至った。

  規則で具体的に課題として挙げられているのは、集客施設における一群の建物のとらえ方。2棟以上の建物を一群の建物とする場合を規則で規定している。2つ以上の建物が駐車場や道といった施設を共用するなど実質は一体的な利用をする場合には一群の建物ととらえている。

  この場合、建物の間の公道についても共用の範囲に入るが、幅員9b以上で幅員2b以上の歩道が設けられていれば除かれると明記されている。実質は一体的な営業がなされていても、9b以上の公道で隔てられていれば一体的な利用としないことが生じる。

  条例の全面施行前後に県経営支援課に寄せられた相談の中に道路の幅員に関するものがいくつかあった。例えば農地開発の計画で敷地を道路と水路で4分し、それぞれの敷地に床面積6千平方b以下の施設を建てようという場合、隔てる公道が9b以上であれば一群の利用に当たらないのではというもの。

  6千平方b以上は特定大規模集客施設となり条例の対象となる。4つの集客施設が1群の建物となれば総面積で対象となるが、道路が隔てていると判断されれば対象外となる。県では相談に対し、この公道は利用客以外の通行は見込めず一群の建物と判断した。

  一方、市町村道が幅員8bに整備される計画に開発者側が9bでの整備を提案し、その道路を隔てて床面積を6千平方b以下でそれぞれ建物を建てる事例では、一群の建物にならないと判断した。

  周辺環境との整備後の道路の利用実態にもよるが、仮に開発者が道路を整備して公道として寄付し、隔てた敷地にそれぞれ条例対象外の規模で建物を建てることが認められるケースが出る可能性がある。ボトルネックのように施設に面する区間だけ9b以上にしたらどうかと問い合わせもあったという。

  県では制定当時は幅員9b以上で歩道付きの公道整備は簡単ではないと考えていたが、開発に積極的な市町村は自ら道路整備することも考えられるなど道路の整備は十分に可能と認識するに至った。立地抑制が必要な地域で複数の条例対象外により実質は大規模な施設が建てられていく可能性もあり、条例の目的である持続可能なまちづくりへの支障が懸念されるという。

  県は27日の県特定大規模集客施設立地誘導審議会(会長・高橋宏一岩手大学教授)で規則にある道路幅員の規定を削除し幅員にかかわらず一体的な利用と判断される場合は一群の建物として扱うような改正の検討について委員の意見を聞いた。

  委員からは「方向として改正は間違っていないが、一体的な利用とは何かが規則で見えてこなくなる。客観的な数字を出せないものか」「一つの基準を決めると抜け道を考える。基準を外し、裁判の判例のように審議会で作っていかざるを得ないかもしれない」「いきなり削除するのではなく、いったん基準を改めて実施する方法もあるのでは」「客観的基準は何かと突っ込まれる。利用の質的な面に着目して判断するという方法が分かりやすいのではないないか」などの意見が出た。

  県では改正の時期を明確にはしていない。

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