2009年 2月 11日 (水)

       

■ 「無床化」当初計画通り 県立病院経営計画の最終案を県が公表

 県医療局の県立病院等の新しい経営計画(09〜13年度)の最終案が10日、公表された。焦点となっている沼宮内病院と紫波など5地域診療センターの無床診療所化は当初案通り進める。県医療局は経営収支、医師不足など重要課題を抱え、「実施が遅れれば遅れるほど事態は深刻になる」として同センターは09年度から、沼宮内病院については10年度から無床化に移行する。当初の方針を崩さなかった。しかし、対象地域の住民らが白紙撤回を求める運動を展開しており、県議会内にも反発は根強い。

  昨年11月の公表案からの主な変更点は、同センターの患者が入院が必要となった場合の受け入れ先の確保策として、2次保健医療圏の基幹病院を中心に他の病院とも連携しながら受け入れ先を確保し、退院後も他と連携し在宅までフォローするとした。その場合の患者と家族の交通手段は、センターと基幹病院などを無料で送迎する手段を確保する。

  無床化で空いたスペースは、民間の医療・福祉関係から病床が確保され、あるいは福祉施設などとして活用される提案があれば地元市町村とも連携しながら一定の支援措置を含めて前向きに検討するとした。

  しかし、無床化の前に受け入れを協議し回避することは難しい。市町村と連携した病院運営につなげるための情報交換の場として市町村連絡協議会は設置するとしている。

  計画には明記されないが、県民の意見などへの対応として、無床化後は当分の間、夜間・休日に看護師の当直を配置し、住民からの電話などによる相談に対応する態勢を敷く。

  無床化したセンターの病床は休止措置とし、病床復活が難しくなる廃止手続きはその後の空きスペースの活用など経過を見ながら対応する。

  市町村連絡協議会とは別に、無床化に伴う対応への検証と新たな課題対応のため、各地域で無床化1年間をめどに、市町村や医療福祉関係者、各種団体などで構成する協議の場を継続する方針を示している。

  計画案全体としては、収支計画で、収益の確保や費用の効率的執行を着実に実行し、11年度決算に一般会計からの繰り入れ後の経常黒字を達成、最終年度までさらに改善させるための数値目標を盛り込んだ。11年度時点の主な目標は、経常収支比率が100・1%(07年度実績98・8%)、医業収支比率が95・9%(同92・5%)、病床利用率84・2%(同79・1%)など。無床診療所化だけでなく、病床削減が盛り込まれており、県立病院等全体では396床を削減し5155床とする計画となっている。

  計画案は公表以来、病床の削減や無床診療所化への反対が起こり、12月県議会では無床化撤回を趣旨とした請願が賛成多数で採択されている。パブリックコメントでも反対の意見が多数寄せられてきたが、県は最終案で一部の意見を反映させたものの、無床化が軌道修正されることはなかった。計画自体は議会の議決が不要で、近く決定となる見通しだ。

  県議会内には請願採択の重みや住民の声などから、見直しを迫る意見が多い。計画は議案とならないものの、新年度予算に関係するため、審議や採決の焦点になるとみられる。

  県地域医療を守る住民組織連絡会(及川剛代表)は10日、県議会を訪れ県議に要請行動を展開した。

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