2009年 5月 1日 (金)

       

■ JT盛岡工場廃止へ 正社員122人、配転か退職

     
   
 
2010年3月で廃止が決まった盛岡工場
 
  JT(日本たばこ、木村宏社長)は4月30日、来年3月で盛岡市みたけ2丁目の盛岡工場の生産を終了し、廃止すると発表した。同日の取締役会で全国9工場のうち盛岡、小田原(神奈川)、米子(鳥取)の3工場廃止を決めた。盛岡工場には現在122人の正社員と6人の非正規従業員がいる。年間製造量は08年度実績で約66億本。近年の喫煙人口の減少と健康志向の高まりで厳しい環境にあり、盛岡工場が整理合理化の対象となった。社員は配置転換と希望退職を基本に処遇し、労働組合と交渉する。生産農家からの葉たばこ購入は同じ敷地内にあるJT東北原料本部で継続する。

  同日は盛岡工場で母袋秀昭工場長が記者会見して本社の決定を伝えた。「非常に残念なことだが厳しい事業環境の中で弊社が生き残っていくためにはやむを得ない。1905年に盛岡煙草製造所としてたばこ製造を開始して以来、1世紀あまりの長きにわたり操業できたことは、ひとえに地域の皆様のご理解とご協力があったから」とコメントした。

  廃止の背景となる市場の縮小については高齢化の進展、喫煙と健康に関する意識の高まり、喫煙をめぐる規制の強化などの複合的要因などの本社の見解を伝えた。

  「契約社員とパート社員は製造終了の時点で、契約終了。正社員は労組と協議する中で基本的には社内の配置転換と退職の募集を予定している。正社員は労働組合との協議次第」と話した。

  正社員122人のうち97人が県内出身者で、居住地は盛岡市と滝沢村が多い。業務の内訳は工場約90人、残りは管理部門となっている。社員の平均年齢は51歳。

  母袋工場長は「全員の県内での配置転換は無理な状況」と話し、県外への配転を余儀なくされる。JTは盛岡工場のほか県内に原料本部、盛岡支店、営業所がある。「具体的な内容は今後の本社の意向と労組との交渉による」と話し、労組とは秋から交渉に入る見通しを示した。退職のあり方については「一般的には希望退職、早期退職などと言われていることとほぼ同じ」とした。

  同日は本社で決定したあと、母袋工場長が食堂に社員と構内業務の子会社の社員を集めて説明した。反応については「非常に冷静に淡々と聞いていた印象」と述べた。

  盛岡工場が整理の対象となったことについては「全体的な事業量と作る能力の問題がある。その中で工場の場所、機能、大きさ、社員状況を勘案して本社が決定した」と話した。

  葉たばこの生産農家については「岩手県は葉たばこの大産地で、農家から葉たばこを購入する原料本部という組織がある。その組織と購買は引き続き事業を行う」と話し、原料の購入は工場とは別組織を存置して継続する。「たばこ工場の廃止と購入は関係ない。葉たばこは農家の高齢化が進んでいるので、耕作量や買い上げは年々減っている。工場廃止とは関係ない」と話した。

  葉たばこはJT全社での加工に購入し、盛岡工場の廃止が生産農家に与える影響は少ないという。

  同工場はピーク時の2004年度には131億本を製造し、1972年には約600人の従業員がいた。

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