2009年 5月 4日 (月)

       

■ 盛岡市内の製造業、雇用維持は厳しく 求人倍率にも反映か

 盛岡市内の製造業の雇用情勢が厳しくなってきた。4月末にJT盛岡工場、新化食品盛岡・渋民工場の閉鎖が決まり、合わせると200人規模の人員が整理される。盛岡公共職業安定所のまとめによると、盛岡市内の製造業の新規求人は昨年11月から悪化し、3月は対前年比43%のマイナスとなった。盛岡市の雇用は第3次産業や公務の比率が高く、県南に比べると金融危機による生産調整の影響を免れてきた。大口の合理化が生じたことにより、有効求人倍率の一層の低下が懸念される。

  盛岡市みたけ2丁目のJT盛岡工場は今年度末で閉鎖し、社員と非正規合わせて約130人を整理合理化する。配置転換と希望退職を基本に処遇し、県内ですべての雇用を吸収することは難しい状況という。工場の閉鎖は主に市場の縮小を背景にしたものだが、母袋秀昭工場長は不況の影響について、「景気が悪くなり生活が苦しくなれば小遣いが減り、たばこを減らす人がいることで、吸う量が減る傾向だろうが、詳しくは分析できていない」と話した。社員の具体的な処遇については今後、労働組合との交渉に入る。

  全日本たばこ産業労働組合盛岡支部の佐藤正幸執行委員長は「本部からの話を受けて対応する。現地では分からない話が多い。社員説明を受けて非常に驚いた。冷静に受け取ったというよりは驚く人が多かった」と話す。工場閉鎖について従業員には当日まで一切知らされず突然、雇用の危機に直面している。

  盛岡市みたけ6丁目の新化食品盛岡工場と玉山区の渋民工場は、本社の民事再生申し立てにより閉鎖が決まり、社員約70人の希望退職を募っている。東京本社では「みんな冷静に受け止めている」と話している。従業員の一人は「雇用保険などをどれくらい受け取れるか不安。こうなった以上は従業員としても受け取れるものは受け取りたい」と話した。

  岩手労働局職業安定部の鈴木宏部長は「製造業は基本的に景気の落ち込みにより需要が落ちている。JTの場合はそのこととは関係なく、世界的な嫌煙の流れを受けている面もある。食品の場合は岩手の中では元気な方だが、消費の影響を受けていないとは言えない。盛岡は県内でも3分の1くらいの業務取扱量で経済規模は大きくても、製造業は少ない。盛岡市としてはJTの撤退は困ると言っているというが、やはり100人規模で大きな影響はあるだろう」と話し、地域的な影響に留意する。

  盛岡公共職業安定所によると管内の製造業の新規求人は昨年10月155人で対前年比31%減、11月74人で同52%減、12月100人で同14%減、1月63人で同44%減、2月51人で同72%減と軒並み厳しくなっている。


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