2009年 5月 4日 (月)

       

■ 岩手の地層に地球の歴史あり 県立博物館で常設展示

     
  国見峠層から見つかった真骨魚類カセキイタチウオ  
 
国見峠層から見つかった真骨魚類カセキイタチウオ
 
  盛岡市上田の県立博物館(菊池慧館長)で、「地球史の中の岩手の自然」が常設展に加わった。カンブリア紀(5億4200万年〜4億8800万年前)から中生代、新生代と全国で類を見ないほど豊富な地層を持つ本県。地層標本や化石、鉱石など約200件の資料から岩手の自然を地球規模のスケールで紹介している。

  1936年(昭和11年)、日本で初めて古生代シルル紀(約4億4400万年〜4億1600万年前)の地層が大船渡市で発見されて以来、本県の地層に全国の研究者から熱い視線が送られている。

     
  陸前高田から出た中期ペルム紀の三葉虫  
 
陸前高田から出た中期ペルム紀の三葉虫
 
  本県の地層は大きく分け南部北上山地と北部北上山地からなる。南部北上山地はかつて赤道付近にあり、3億年をかけてアジア大陸に衝突。一方、北部北上山地はジュラ紀(2億年〜1億4500万年前)ごろ深海で形成され、南部北上山地に加わった。

  白亜紀(1億4500万年〜6550万年前)の初めころ、北上山地の原形がアジア大陸の東岸に出来上がった。このころの本県の地層上からは海岸付近に生息した貝類などが保存の良い状態で見つかる。

  代表的な宮古層群や久慈層群などからはサンゴや巻貝、二枚貝、ウニやウミユリなどが豊富に見つかり、後期白亜紀の地層からはアンモナイトや琥珀なども産出している。

     
  雫石町舛沢橋のイタヤカエデモドキ  
 
雫石町舛沢橋のイタヤカエデモドキ
 
  新生代新第三紀中新世(2300万年前〜533万年前)の初めには大きな地殻変動により日本海が誕生する。同時に雫石西方の奥羽山脈地域までも深海となり、同地からは深海魚の化石が見つかっている。後期中新世(約800万年ころ)には再び陸地に。今度は被子植物などの化石が多く見つかる。

  前期白亜紀には化石だけでなく、北上山地を特徴付ける花崗岩も多く形成された。地殻変動に伴い地中深くで大量のマグマが冷え固まった。マグマから分離した熱水の作用により、釜石鉱山や田老鉱山など北上山地にさまざまな金属鉱床が形成されることとなった。

  本県の鉱石を研究した東北大学名誉教授南部松夫氏から寄贈を受けたコレクションも展示。自らが採取し、学会に新鉱物として発表した万次郎鉱や南部氏の功績をたたえ名づけられた南部石なども紹介されている。

  同館の大石雅之上席専門学芸員は「一つの県の中で地球の歴史を見ることのできる県はほかにはない。多くの人に知ってほしい」と来館を呼びかけている。

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