2009年 5月 8日 (金)

       

■ 〈お父さん絵本です〉257 岩橋淳 「さかさま さかさま」

     
   
     
  こどものすることをぼーっと眺めていると、こちらには意味不明ながら、本人にはそれなりの理由や、ちゃんと決まったパターンがあって、かれらなりのヨノナカが成立しているんだということが見えてきます。なんで暑いのに毛糸の手袋をしたがるのか、なんで絵を逆方向から描くのか。

  …、そう、今週登場のハツカネズミのレミ君は、天と地がまっさかさま。ご覧の表紙、印刷ミスではありません。木の枝に「腰掛けた」レミ君を捉えようとすると、こうなってしまうのです。だから、家でも、ブランコに乗っても、学校でも、なんだかみんなとかみ合わない。言いしれぬ孤独感、疎外感。ある日レミ君は思い立ち、地球の裏側にいるかもしれない同じ境遇のだれかを捜しに、旅に出ます。

  天地を逆にした「だまし絵」的世界を、野を越え、海を渡り、レミ君は歩きます。そして、たどり着いた先に待っていたのは?

  自由に伸びていこうとする、こどもの心。それをもしかしたら、「みんなと同じ」型にはめようとすることで、阻害してはいないか? 自戒の念を込めつつ、読みたい一冊です。

 【今週の絵本】『さかさま さかさま』M・ラモ/作、原光枝/訳、平凡社/刊、1680円(税込み)(1995年)



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