2009年 5月 9日 (土)

       

■ 大西民子の生涯と作品解説 川村杳平さんんが「無告のうた」

     
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  盛岡市の川村杳平さんの「無告のうた〜歌人・大西民子の生涯」が角川学芸出版から刊行された。盛岡出身の大西民子の短歌作品と年譜、初期の未発表歌群を全収録。発行日は民子の85回目の誕生日に当たる5月8日に設定。9日の午前11時半からは、同市の上の橋緑地で、民子の歌碑の除幕式が行われる。

  「無告のうた」とは「市井の庶民の魂を揺さぶる歌」のこと。川村さんは「誰にも告げることのできない、自分の苦しみを歌として投げかけ、到底わかってもらえそうもない悲しみを読者が受けとめる。こうした詩歌本来の伝承交流のなかに文学固有の慰藉(しゃ)がある。このことを美しい品格をたもちつつ日本語表現をもって定着させてゆくのが、歌人の仕事」という。

  俳人でもある川村さんは「民子短歌のもつ気品と文学性」に引かれて研究をスタート。本書にはその成果を2部に分けて紹介している。

  第1部「大西民子の歌と生涯」には3編を収録。「無告のうた−大西民子論序説」「歌人・大西民子への旅」は「北の文学」(岩手日報社)に、「あくがれの誕生」は「波濤」誌に発表したものに加筆訂正してまとめた。

  第2部「作品と鑑賞」では昨年11月に書き下ろした「遺歌集『光たばねて』より百首鑑賞」を発表。「『朱扇』発表全二九八首」には歌集未収録の163首を含む全歌を掲載した。

  川村さんは1949年宇都宮市生まれ。俳句誌「古志」「草笛」所属、「鬼」誌友。短歌文芸誌「北宴」同人。「北の文学」の文芸評論部門入選5回、草笛50周年記念評論賞受賞。俳人協会会員。

  197ページ、定価は1470円(税込)。

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