2009年 5月 13日 (水)

       

■ 小沢代表辞任、衆院選へどう影響 「政治とカネ」争点に浮上か

     
  小沢一郎氏の会見後に記者の質問に答える佐々木順一民主党県連幹事長(11日、党県連事務所)  
 
小沢一郎氏の会見後に記者の質問に答える佐々木順一民主党県連幹事長(11日、党県連事務所)
 
  11日にあった小沢一郎氏の民主党代表の辞任表明。小沢氏のおひざ元である岩手だけに、秋までに行われる衆議院選への影響が注目される。県内政党関係者は小沢氏が代表を退く影響をどうみているのだろうか。影響はあると受け止めながらもその度合いは推し量られないのが現状。一方で影響はないとみる声も聞かれる。また政治とカネという古くて新しい問題が選挙の争点の一つに浮上すると展望する向きもある。

  ■小沢総理誕生遠のく

  小沢氏が代表辞任の意向を正式表明した直後の11日夕、盛岡市の民主党県連事務所で佐々木順一県連幹事長は記者会見。「民主党にとっては、大きな代償を払うことになった」と、痛手を認めた。

  全国の民主党の先頭に立つという以上に岩手にとって重い存在。自民党を飛び出して以降、岩手は小沢王国と称されるほど、小沢氏は強固な影響力を県内に広げた。離党から幾つかの政党を経て民主党に至る中でも、岩手には「小沢党」が常にあった。

  小沢代表の下で07年の参院選で与野党逆転を果たし政権交代が現実味を帯びると同時に、党県連は解散総選挙で勝利し、小沢総理の誕生をと唱え出す。岩手から総理をというフレーズが岩手で党への求心力を高めたことは間違いない。

  佐々木幹事長は「次の選挙では小沢総理の実現という可能性はなくなったと思う」と認めながら「次善の目標として政権交代を行うことで、県民の皆さんも小沢先生の思いが国の政治で実現するという受け止め方をしてもらえば」と続けた。

  ■衆院選の県内選挙区への影響は

  佐々木幹事長は「影響はどれほどのものか、今のところ判断できかねる状況だが、影響がないとは言えない、あると思っている」と影響不可避を認める。県連としては「代表でいた方がいい」というのが本音だ。

  しかし、公明党県本部の小野寺好代表は「岩手に限っては影響ない」とみる。「民主党にとっては小沢党という強い支持者がいるので影響はしない」と断定的だ。岩手の特殊事情とし「自民党も公明党もメリットはないだろう。総合的には影響ない」とも話している。

  自民党県連の千葉伝幹事長は「今の時点ではどなたが代表になるか分からない。これからどうなるか分からないので、選挙への影響はどうだとかは言えない」と慎重に言葉を選ぶ。

  社民党県連合の小原宣良代表は「少なからずあるだろう。有権者には政治とカネのありように対して厳しい見方はかなりあると考える」と話す。ただし「わが党にとってこれをもってプラスかマイナスかという言い方はできない」と影響度を計りにくいのが実情だ。

  「有利となるか、不利となるかはこちら次第だ」と語るのは共産党県委員会の菅原則勝委員長。小沢氏の辞任が西松建設の献金問題について「われわれからすれば小沢氏が民主党の代表というだけで、民主党が代表辞任によって自浄努力にふたをした」とばっさり。「新しい情勢変化の下で新しい選挙を迎えたい」と話す。

  民主党県連は、佐々木幹事長が「県連の役員会を時機をみて開催したい。国会議員から説明いただく」と話し、選挙態勢や戦略練り直しの必要性などについて確認していくとみられる。

  佐々木幹事長は「総選挙勝利への障害がある場合は、われわれ党員が全員で障害を取り除く努力をしていかなければならない」と辞任という現実を受け入れる。唯一空白で重点区の2区について「最優先で勝利しなければならない位置付けが変わることはない。逆に今まで以上に力を結集しなければならない」と話している。

  千葉幹事長は「政権与党の立場とすれば、経済対策、雇用対策をしっかり続けて責任を果たした上で総選挙に備えたい。今までもいつあってもおかしくないという臨戦態勢で進めてきたが、さらにそれを強め1区から4区までの勝利を目指していく」と話す。「これまでのやり方を変えることは考えていない」と言い「向こうの出方が変わってきた場合はその時点で考える」方針だ。

  ■争点に政治とカネ浮上

  菅原委員長は「西松事件で問われている疑惑を究明しない民主党は自民党と同類と指摘せざるを得ない」と語る。「多くの国民は全容解明を求めているのに、辞任で終えようというのが民主党の中身と、県民に知らせていく。企業・団体献金を受けない共産党だから言える」として、政治とカネの問題を「大きな争点にしていかなければならない」と話す。

  4区では公認候補を立てて小沢氏と直接対決することが濃厚で「この問題を大いに訴えていきたい」と力を込める。疑惑の解明と並行し、企業・団体献金を全面的に禁止するために全力を尽くす構えだ。

  小原代表は「小沢氏は説明責任を果たしたとは言い難い。政治資金規正法に違反している、していないというたぐいの話は裁判ではっきりするだろう。それとは別になぜ巨額の政治献金を受けてきたか、必要としたかの説明がなく、国民は疑問を持っている」と指摘。

  政治とカネの問題は「争点の一つになる。民主主義の基本である国民主権の一票によって政治を作るという根本の問題に触れる。わが党は企業・団体献金の全面禁止を一貫して主張してきた。利権政治との決別は大きな柱だ」と話している。

  小野寺代表は「われわれが連立政権に入り、政治とカネの問題では自民党を変えてきている。政治とカネの問題に鈍感な人が取り残されていくだろう」と、推し量る。

  ■総選挙の時期は

  辞任やその過程で露呈した民主党内の結束の乱れから、解散時期が早まるのではないかとの観測も出ている。

  千葉幹事長は私見として「7月は避けるのではないか。お盆前もあるが、お盆すぎから任期ぎりぎりになるのではないか」とし、早まる見方をしていない。「麻生総理が決めることで、いつあってもおかしくないと臨戦態勢で臨んでいく」と話している。

  小野寺代表は「補正予算が13日あたりに衆議院を通りそうな情勢で、成立させなければならない。関連法案やいろいろな重要法案があり、途中で解散ということにはならないだろう」とみている。

  「1カ月先か4カ月先かで変わりはない」というのは菅原委員長。「4カ月以内に必ずあるのだから、ラストスパートに入っている」と認識を示している。

本ページ掲載内容の無断転載を禁じます
ホームページに関するお問い合わせ、取材に関する情報は
E-Mail:hensyuu@morioka-times.com
盛岡タイムス宛てにお願いします