2009年 5月 18日 (月)

       

■ 車中心の道路計画を盛岡市が見直し 環状線縮小や一部路線廃止

 盛岡市は「2環状6放射」が基本の将来道路網計画を見直し「もりおか交通戦略」の策定作業を進めている。2系統ある環状道路をそれぞれ縮小。当初の4車線化路線の2車線整備や部分的な廃止などに着手する。すべての整備に100年以上かかるといわれた事業期間を今後30年に短縮し、事業費も2千億円から550億円に縮小する。中心部を車中心から歩行者や自転車利用者の利便性向上、公共交通活用に方向転換する。市民の意見を募集し7月以降に策定する考えでいる。

  ■20年経て見直しへ

  「2環状6放射」は1986年(昭和61年)策定の将来道路網計画に基づき郊外に接続する国道と戦前の38年(昭和13年)に決定した路線を含む都市計画道路などの道路網。

  このうち2環状は市中心部を循環する複数路線による「都心環状道路」、その周辺を囲むように走る国道4号、同46号盛岡西バイパスなどを「市街地環状道路」と設定。6放射は市街地環状から東に伸びる国道106号、西の46号、南の4号と396号、北の4号と455号を表す。

  既存の将来道路網は渋滞緩和など車社会を想定して計画された。20年以上が経過し、人口減少や少子高齢化が進む中、市はまちづくりや二酸化炭素削減の観点から土地利用や「歩いて楽しむ中心地」のためマイカーを抑制して歩行者や自転車利用者を優先、公共交通の活用へ方向転換した。

  ■2環状の縮小

  交通戦略案は、07年策定の市総合交通計画の具体策として、交通量予測や夜間人口の推移など将来道路網の検証を通じてまとめられた。2環状のうち都心環状道路は当初の延長12キロを42%の5キロ、市街地環状道路は21キロを76%の16キロに範囲と位置を縮小する考え。

  具体的には▽新道寺山線(国道46号の稲荷町〜4号交差部間)▽本町上田線(455号交差点〜梨木町上米内線交差部間)▽神明町前北井崎線(盛岡バスセンター〜城南小間)▽本町新庄線(同小〜455号交差部間)▽盛岡駅長田町線(中央通交差部〜本町上田線交差部間)▽内丸山岸線(上の橋の西から4号交差部間)▽茅町八幡森線(中央通交差部〜46号交差部間)−の7路線区間を4車線から2車線整備に見直す。

  7路線区間の総延長は7147メートル。最長は館坂橋、岩手大、上田小を経由する新道寺山線の2560メートル。本町上田線は本町通1・2丁目の寺町通り交差部から岩大農学部付近までの1080メートル。

  ■南大橋線一部廃止

  盛岡駅南大橋線は南大通から国道4号南大橋付近の神子田町区間890メートルで4車線の都市計画決定を2車線化で検討する。谷藤裕明市長は「歴史的街並みとの調和が課題で、まちづくりと一体になって見直し、現道に即した整備手法とする」と11日の会見で述べた。

  また、茅町八幡森線のうち館向町と西下台町境の46号交差部から4号北大橋東までの区間875メートルを廃止。歩道整備などで対応する。

  戦前に都市計画道路として整備を決めた路線は、本町通2丁目の四ツ家教会から仁王小、名須川踏切を経由して盛岡視覚支援学校までの区間、国道4号の東大橋・中津川左岸から若園町の城南小交差点までの区間など。これらは現道や歩道の整備で対応していく。

  市は15日から1カ月間市民意見を募集し、市議会や市都市計画審議会から意見を聞いて戦略を策定する考え。

  ■中心部は歩いて

  市中心部のうち大通や菜園などは、環状道路の縮小により車両の混雑は避けられないが「歩いて楽しむ中心地」のまちづくりの観点で整備。歩道や自転車走行空間の確保、新たなバス路線運行など公共交通施策に取り組む。

  さらに中心市街地と市内の各地域を結ぶバスや鉄道による公共交通軸の充実を図る。玉山区と盛南地区にオムニバスタウンの交通軸を新規に整備する。

  都市計画変更が必要な路線は10年度以降、個別に地域住民らと懇談しながら具体的な変更案を策定する。

  既存の将来道路網計画により、対象地域では集合住宅や店舗などを道路からセットバックしたり、建物の建設を待っていたりした地権者もいる。市が道路拡幅整備のため用地補償されると期待していた市民らも。市は都市景観などまちづくりの視点で対象者や地域に理解を求めていく。

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