2009年 5月 19日 (火)

       

■ 〈イタリアンチロルの昼下がり〉70 及川彩子 今年は日伊友好年

     
   
     
  アジアゴ近郊の街ヴィチンザで「日本音楽の夕べ」がありました。4月末の日曜、主催は、日本文化に興味を持つイタリア人グループ「御飯の会」。会場は、中学校の音楽堂。

  演奏者は、みなイタリア人の会員たちで、見事なバチさばきの日本太鼓〔写真〕、小編成のオーケストラで「東京音頭」など、情緒豊かに、時にリズミカルに聴かせました。

  中でも、会場を盛り上げたのが、わたしの友人の娘サラちゃんの琴の演奏でした。彼女は、ヴェネチア音楽院でクラリネットを学んでいますが、この日は、あでやかな着物姿で登場。「六段」「さくら」など日本古謡に挑んだのです。その音は、ヨーロッパ近代音楽のアンニュイな装いで、とても新鮮でした。

  「御飯の会」会員は、指圧師のマリオさんを中心に約40人。数年前、在留邦人を講師に日本語教室を始めたのがきっかけで発足、今では着付け、茶道、生け花、習字、日本料理、折り紙教室なども開いています。その活動に、わたしたち家族も度々協力してきました。

  こうした「イタリア人による日本文化普及」グループは、北イタリアだけでも10団体以上。それもヴィチンザのような地方都市や小さな町に多いと聞きました。 

  ミラノの2009年は、なんと「日本文化年」。街の中心にあるスフォルスコ城では「サムライ」「蝶々婦人」など様々なテーマの企画展、ミラノ中央卸売り市場では「日本料理」のテーマパーク。冬季五輪が開かれたトリノでは「日本」をテーマにした国際音楽祭が開催される予定です。

  都市の大企業や日本領事館レベルの大規模企画にも興味はありますが、ソニー、トヨタやアニメといった日本のイメージが、「御飯の会」のような地方のイタリア人によって、少しずつ塗り替えられているのです。

  「いつか日本で琴を勉強したい」と言うサラちゃんに、手探りでチェンバロを勉強していたころの自分が思い出されました。

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