2009年 5月 21日 (木)

       

■ 裁判員制度きょうから 県内では1800人が候補者に

     
  裁判員制度のスタートをPRする盛岡地裁の立て看板  
 
裁判員制度のスタートをPRする盛岡地裁の立て看板
 

 裁判員制度が21日から始まる。裁判員は有権者の中から抽選で選ばれ、全国の地裁の法廷で重大な刑事事件を裁く。殺人や強盗など重大犯罪の公判に裁判官3人と裁判員6人で臨む。21日以降起訴された事件が対象となるため、夏以降に裁判員裁判が始まる。県内では昨年11月末に1800人が裁判員候補者に選ばれている。

  21日から裁判員法が施行され、各地裁は公判前整理手続き終了後、裁判員候補者名簿の50人から100人に呼び出し状と質問票を送付し、辞退の意思の有無などを確認する。社会的責任や家庭的事情などにより妥当と判断された場合は、裁判所が辞退を認める。

  裁判員候補になったことを周囲の人に話すのは認められているが、広く公表することは禁じられている。裁判員の選任にあたっては被告人や被害者と関係がないか、不公平な裁判をするおそれがないか質問を受け、辞退しなかった人の中から抽選で6人と補充裁判員数人を選ぶ。

  裁判員に選ばれると裁判官とともに刑事事件の公判に出席し、証拠物や書類を取り調べ、証人や被告人に質問する。証拠に基づき被告が有罪か無罪か、有罪の場合の量刑を裁判官と評議、評決する。議論を尽くしても全員が一致しない場合、評決は多数決になる。有罪と判断するためには裁判官、裁判員の各1人以上を含む過半数の賛成を必要とする。裁判官は判決理由を取りまとめ、裁判員とともに判決を申し渡す。

  裁判員裁判の対象事件は殺人、強盗致死傷、傷害致死、危険運転致死、偽造通貨行使、現住建造物等放火、身代金目的誘拐、保護責任者遺棄致死など。08年に盛岡地裁が取り扱った裁判員裁判の対象となる事件は11件だった。同地裁は裁判員制度の開始に備えて8回の模擬裁判を行い施行に備え、県民に制度を啓発してきた。

  盛岡地裁の伊藤紘基所長は「裁判員制度で司法が新しい姿になり、理解をいただくことが重要。国民主権に伴う制度なので、ともに考えていきたい」と話し、国民の司法参加に大きな意義を見いだしている。

  岩手弁護士会の川上博基会長は「弁護士会としては遠方の被告も盛岡の被告も同じく対応しなければならないので、制度に対する準備は整えた。あらゆる弁護士が対応できるよう努めていきたい」と話したが、「地域的にバランスが取れていなくて、支部によっては(弁護士が)足りないところもある」と、改めて司法過疎の問題を認識している。

  裁判員に選ばれた場合は職場の理解と協力が重要となる。

  盛岡地裁の模擬評議に参加したことがある盛岡商工会議所の泉沢力事務局長は「一番大変だったのは評議。裁判員になったとしても被疑者、被害者、当事者を事前に直接調べたりしているのではなく、あくまで法廷に出されたことに基づいて判断する。評議にはわれわれが普段かかわっているわけでないので、どう進めるか裁判官から丁寧に教えてもらった。人の意見を聞いているうちにどういう論点で物事を決めるのか、気持ちは一本でなかった」と話す。


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