2009年 5月 24日 (日)

       

■ 〈胡堂の父からの手紙〉217 八重嶋勲 授業料を納め残金で夜具を

  ■285半紙 明治41年10月26日付

宛 東京市麹町区飯田町四丁目三十一、
               日松館内
発 岩手縣紫波郡彦部村
前畧昨日金弐拾円送金セシ筈、之ニテ授業料ヲ納メ残金ニテ夜具買求ムベシ、残即チ不足三拾円来ル三十日頃迄送金スル見込ナリ、
今出秋ナルモ佐比内ノ中野ヘ百円返済明期ナリ、其他モ当月初旬よリ百七十円計支払セリ、故ニ尚又金束(策)ニ困難罷在候、
次ニ岩亀ノ手紙大至急被送度候、 
  学校方学科其他ノ状況詳細取調報スベシ、
  郵券三枚手ニアリ送付シ(ス)、
  写真取リタルトキハ直ク送クレ、
  喫(禁)煙ハ決シテ破ルナカレ、
右用事迄、早々
  十月廿六日    野村(長四郎)
      野村長一殿
昨日弐十円送金ニ日松館ト書落シセシ様ナリ、至急九段ノ局ニ当ルベシ(飯田町橋通局ナルカ)
 
  【解説】「前略、昨日20円送金したので、これで授業料を納め残金で夜具を買い求めよ。残り即ち不足30円は来る30日頃までに送金する見込みである。

  今、秋の収穫の時期であるが、佐比内の屋号中野家(長一の母の実家)へ100円返済しなければならない。その他も今月初旬から170円ばかり支払いした。そのためまたの金策に困難している。

  次に岩亀前紫波郡長の手紙を大至急送り返してほしい。

  学校の方の学科、その状況を詳細に調べて知らせよ。

  郵券3枚手にあるので送付する。

  写真撮ったときは直ぐ送れ、

  禁煙は決して破るなかれ、

右用事まで、早々

  (追伸)

  昨日20円送金するのに「日松館」を書き落したようである。至急九段の郵便局局に当たるべし(飯田町橋通郵便居であろうか)」という内容。

  秋の収穫期で、農家は米代金などが入り、それまで買い掛けで物を買ったりした代金を支払う時期である。もちろん借金の支払いや利子上げなどもこの時期にやる。野村家はもう270円の借金の支払いが決まっているという。野村家の米代金は、確か200円くらいであったはずであるから、今年の米代金をすでに超している。

(県歌人クラブ副会長兼事務局長)


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