2009年 6月 4日 (木)

       

■ 川目道路の凍結解除を 現地調査の事業評価委に盛岡市など要望

     
  事業評価監視委員会による都南川目道路の現地視察  
 
事業評価監視委員会による都南川目道路の現地視察
 
  3月に国土交通省が事業を一時凍結すると発表した国道106号都南川目道路(6キロ)を再評価する東北地方整備局事業評価監視委員会(委員長・柴田洋雄美しい山形・最上川フォーラム会長、11人)は3日、現地調査し、地元自治体などから意見聴取した。盛岡市などは命の道としての医療・救命、災害対策、観光振興、物流などの整備効果を挙げ、事業の凍結解除を熱望した。

  同監視委員会は事業評価のための第3者機関。同日の意見聴取会などは一律の費用便益比(B/C)だけでなく、地域の実情を正確に加味できるようにと開かれた。アイーナでの意見聴取会には、関係する谷藤裕明盛岡市長、内舘勝則川井村長、山口公正宮古市副市長と県の平井節生県土整備部技監が出席して意見を述べた。

  谷藤市長は「ようやく着工して期待していたのが凍結となり驚いている」と地元の心情を吐露。横軸の大動脈である106号の一部を成し、時間短縮による観光効果、医師不足の中で盛岡に集中する県内の救急・中核病院への救急患者の搬送時間短縮による救命の意義などを訴え「事業コスト縮減を検討してもらい、凍結解除と早期完成を期待している」と述べた。

  内舘村長は「安心・安全な地域社会の観点から整備を実現してほしい」と主張。沿岸と内陸の地域格差を訴え「道路なくして経済発展はない」と唱えた。山口副市長も命を守る道路として医療問題、大災害時での生命線、海産物をはじめとした物流の時間短縮などを整備メリットとして挙げ、秋田〜盛岡〜宮古の横軸が今後重要性を増すと唱えた。

  平井技監は県内幹線ネットワーク形成のため、県として関連する簗川ダム建設地付近の簗川道路の整備に努めていると紹介。都南川目道路が遅滞なく整備されることを期待。県としてB/Cに新たな要素を加え、地域の実情を考慮した総合的に判断するよう要望していると説明した。

  質議の中では、委員から「トンネルは動植物や環境への負荷が少なくなるので環境でポイントを上げることができないか」「地形によってコストがかかることは材料に入れていいのではないか」「宮古の観光の玄関口は盛岡と訴えるべきではないか」「先行投資や地域の将来計画において道路の実現が必要ということを説明する必要がある」といった発言があった。

  聴取会終了後、谷藤市長は「委員には地域の実情について命の道路の重要性など、理解いただいた部分があると思う。解除の方向に動いてもらえるのではないか」と期待を込めた。

  都南川目道路は北上川に架かる盛岡市の都南大橋から工事中の簗川道路までを結ぶ高規格道路。97年度に事業着手し、06年度に着工。計画では300億円の事業費が見込まれ、07年度までに約28億円が執行され、進ちょく率は約10%。

  国交省は3月31日、09年度に事業実施する予定の高規格幹線道路と直轄事業などについて、走行時間短縮、走行経費減少、交通事故減少の3便益による評価結果を公表。費用便益比の値が1以下で事業凍結となった18路線に都南川目道路が含まれていた。

  同整備局では事業再開に向け、0・97だったB/C値が1を上回る方法の検討を始めている。構造変更などによるコスト縮減の方向で見直し中。同監視委員会は検討内容について再評価する。結論が出る見通しは出ていないが、同整備局では今年度の事業再開と来年度の予算要求をにらんで、できるだけ早期の再評価と凍結解除を目指す。

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