2009年 6月 7日 (日)

       

■ 〈胡堂の父からの手紙〉219 八重嶋勲 何ら返事がないが、目下の健康は?

 ■287はがき 明治41年11月13日付

宛 東京市麹町区飯田町四丁目三十一、
               日松館内
発 岩手縣紫波郡彦部村
前畧目下健康如何候也、其後之状況音信ナキハ定メテ異状ナキタメナラント推察致居候、□□手紙余リ明後ニ相成□□□□□存候□□(以下破損)
余ハ後便ト申残(以下破損)
 
  【解説】「前略、目下健康はどうであるか。その後の状況の音信がないのは、きっと異状がないためであろうと推察している。□□手紙余り明後に相成り□□□□□存候□□(以下破損)

  余は後便と申し残す(以下破損)」という内容。

  破損箇所や解読不能部分が多く、何を伝えようとしているのか、肝心のところが分らない文章である。
 
  ■288半紙 明治41年11月18日付

宛 東京市麹町区飯田町四丁目三十一、
               日松館内
発 岩手縣紫波郡彦部村
前畧再三四照會スルモ何等回信無之、目下之健康如何ナルヤ、豫而送付致置候、岩亀之手紙ニ対スル返済状草稿数日経過シ未タ答礼セサルハ甚タ申訳ナキ様被思候、草稿スルコト不能様之事ニ候ハゝ本紙(手紙)丈計リモ至急送付相成度候、
・当方無事ナリ
・豫而申述置候、刑法ノ注解ノ如キモノ 之レモ至急取計度候、
余リ返信ノナキ故尚ホ冬期ノ為メ不健康ナキヤト親類、叔父達迄心配致居候、折返シ其実際報導可致候、右用事迄、早々
  十一月十八日     野村長四郎
    野村長一殿
 
  【解説】「前略再三再四照会しても何ら回信がない。目下の健康どうであるか。

  かねて送付しておいた岩亀前郡長の手紙に対しての答礼状の草稿のことも、数日経過し、岩亀郡長に未だ答礼しないのは甚だ申し訳ないことである。草稿することができないのであれば、岩亀郡長の手紙ばかりも至急返すようにせよ。

  ・当方は無事である。
  ・かねて申しおいた、刑法の注解の本等も至急取り計らってほしい。

  余り返信がないし、また冬期でもあるので不健康になったのではないかと親類、叔父たちまで心配している。折り返しその実際を知らせるようにせよ。右用事まで。早々」という内容。

  これまでも、このようなことがたびたびあり、どうも物事をすぐやらないのが、長一の性格のようである。しかし、そうであっても父は長一を愛しており、辛抱強いのである。

  (県歌人クラブ副会長兼事務局長)

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