2009年 6月 14日 (日)

       

■ 苦境にあえぐ大通の外食業界 県外資本から撤退組、空き店舗化も

 盛岡市の大通商店街で外食業界が苦境にあえいでいる。昨年秋のリーマン・ショック以降、外食費の節約傾向が顕著になったのが要因という。加えて地場と県外チェーン店との競争の激化、郊外店との競争などが高じ、閉店に追い込まれる店舗が増えている。撤退した後は次の入居者が現れず、空き店舗の状態になることも珍しくない。最近の新型インフルエンザによる風評被害も出回り、地場、チェーン店とも先行き不安を隠しきれないでいる。(大森不二夫)

  同市中央通の真珠苑ホールディングスでは、大通のメーンストリートだけで、CITY33、サンシャインビルなど飲食を中心とした4つの複合店ビルを経営。鈴木稔社長は「景気は極めて厳しい状態。店舗の中には売り上げが4割、5割ほどもダウンしているところもある。かつてない数字。来店客数が減少し売り上げがダウンした」と厳しさを隠さない。

  2年ほど前は、地場と県外大手チェーン店との熾烈(しれつ)な戦いが展開されていた。直営の飲食店も抱える鈴木社長は「今は地場も大手も淘汰(とうた)される時代に入っている。数年前に進出した大手の幾つかも閉店し撤退した」と、多くの店舗が生き残れるかどうかの瀬戸際を迎えているという。

  同ホールディングスでは、売り上げ減をカバーするためさらなる経費節減に力を入れる。鈴木社長は「一括購入による仕入れ単価の削減も始めた。仕入れ先などの見直しもしている。広告費も削減。売上減の店舗では従業員の削減にも着手している。もちろん、いかに来店してもらうか、メニュー改定やサービス向上に努めながらだ」と話す。経営改革の手は休めない。

  路面店の県外チェーン店は半額など安売り合戦で消耗戦に入っている。しかし鈴木社長は「値段の戦いだけでは収まらない」という。「まだまだ泥沼の展開となろう。政府の施策で今の地場の経済が良くなるとは考えられない。本気で雇用を増やし、地域を活性化させる具体的な施策がなければ」と、景気対策の手ぬるさを指摘する。

  地場の老舗も厳しい。大通で76年間、そば屋を営む橋本屋支店の吉田利男さんは「このような急激な落ち込みは戦後で初めて。本当に来店客が少なくなった。大通に飲食店が増え競争が激しくなっただけではないだろう」と首をかしげる。

  それでも、そばとカツ丼、うどんと天丼などのセットは人気。「明らかに低価格志向。幸い、昨年ほどの食材の高騰はないが、やはりある程度の数を出さなければ。これまで来ていた公務員の客も来なくなった。新型インフルエンザは騒ぎすぎ。今のままの低空飛行ではいつ墜落してもおかしくない」と真顔で話す。

  大通商店街ではこの1年で12店が閉店。7店舗が依然、空き店舗のまま。盛岡大通商店街協同組合の阿部利幸事務局長は「外食や衣類などの業種だが、県外大手資本のチェーン店が多い。採算割れの状態での閉店などのようだ。風評被害は食い止められない。いずれこれからいくつかの明るい話題を打ち出しなんとか商店街に人を呼び、活性化につなげたい」と話す。


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