2009年 6月 24日 (水)

       

■ 〈都市の鼓動〜リレーコラム〉47 寺井良夫 道路利用のバス駐車帯見直しを

     
   
     
  盛岡のまちなかには道路を利用したバスの駐車帯が3か所ある。中の橋下流側で岩手公園と中津川の間の道路、岩手公園の菜園側で公園下の道路、岩手県民会館と中津川の間の道路である。こうした路上にバス駐車帯を設ける方法は、土地に限りがあるまちなかに駐車場をあみ出すための苦肉の策ともいえるが、やはり本来あるべき姿ではない。

  中の橋の下流側にある駐車帯は、至極便利な場所にあり利用度も高い。しかし、この場所は、岩手公園、中津川、赤レンガの岩手銀行の3点セットの景観が得られるところで、盛岡のまちなか観光において、もっとも重要なビューポイントといえる場所である。その大切なビューポイントのまんなかに観光バスが何台も何台もデンと居座り美しい景観を台無しにしている。ビクトリアロードと名付けた散策路のコース上にも位置し、できるだけ車の往来を抑えてゆっくりと歩ける道にしたいはずのところでもあるが、駐車帯を確保するために歩道はわずかな幅しかない。

     
   
     
  公園下の駐車帯も景観的にはマイナスである。岩手公園の城跡は石垣の美しさが自慢であるが、その石垣をもっとも際だたせて見通すことができるのがこの場所であるのに、観光バスがこの場所を占拠してしまうと、その景観もぶち壊しである。

  県民会館脇の駐車帯も同様である。中津川沿いの景観を阻害しているうえ、中津川右岸側の散策コースの魅力を損ねるものとなっている。

  岩手公園にしても中津川にしても今はまだそこそこの観光資源である。これをピカイチの観光資源に仕立てていくためには、こうした部分の改善を重ねながら徹底的に磨き上げていくことが重要である。

  道路上のバス駐車帯は景観的な問題に加え、交通安全の確保や交通ルールの徹底という観点からも決して好ましいことではない。駐車車両の前後は交通事故の危険性が高い。道路上に駐車しているバスを目にした他の一般ドライバーには、まちなかでの路上駐車が許容される都市だと誤解されかねない。公園下のバス駐車帯については、自転車の安全な通行を確保するためのブルーゾーンの設置を妨げる結果ともなっている。

  まちなかにお客さんを呼ぼうと思えばバスの駐車場は不可欠である。しかし必ずしもバスの駐車場をまちなかに設ける必要はない。乗客にはまちなかでバスから降りてもらい、観光を楽しんでもらっている間、バスはどこか離れた場所で待機してもらえば問題ない。安全に乗降できる場所さえ確保しておきさえすれば済むのである。バスの駐車場がまちなかから500メートルや1キロ程度離れていたとしても不便になることはない。その程度のエリアなら未利用低利用の公有地や民有地を確保することもさほど難しい話ではないと思われる。

  岩手公園のヒマラヤシーダーの伐採問題も観光バスの駐車場確保がひとつの背景となっているが、まちなか観光全体を考えていくためにも、観光バスの駐車場対策について根本的な取り組みが求められる。
  (NPO都市デザイン総合研究センター副理事長) 

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