2009年 6月 25日 (木)

       

■ 〈北Gのライブトーク〉93 北島貞紀 ライブ三昧

 今月は、二つの素晴らしいライブを観ることができた。まず穐吉敏子&ルー・タバキンのヴィンテージデュオ。この2人は音楽上のパートナーであると同時に私生活においても結婚40周年を迎えたパートナーである。盛岡市内のホテルで開かれたライブは、主催者である照井顕氏の「ジョニー開店35周年」もかねており、アットホームな雰囲気の中で、穐吉、ルー両氏ともリラックスしてプレイしていたように思う。

  穐吉氏の偉業については、ご承知の通りだが、79歳の現在もジャズの世界で、それも本場アメリカで「現役」で活躍されていることは驚愕に値する。照井氏から聞くところによると、穐吉氏は今でも毎日練習をするという。どのような練習をされるのか、とても興味がある。「公開練習」なんていうのがあれば、真っ先に応募します。

  もうひとつは、スペイン倶楽部でおこなわれた「辛島文雄トリオ+1」のライブ。日本のジャズピアニストのトッププレイヤーの一人である。(控えめな表現にしたが、本当は彼が一番だと思っている!)昨年は、辛島さんの左手のかぶりつきで見たが、今年は右側の背中で、右手の動きが見える位置だった。場所を確保してくれたオーナーに感謝です。

  とにかく、音が美しい。とてつもなく早いフレーズが鍵盤の上を走り回るのだが、勢いに任せて弾くのではなく、音の大きさがきっちりとコントロールされている。例えていえば、豹(ひょう)のようなスピードとしなやかさ。ピアニストとして、卓越した技術をもち、バップとモードというジャズの神髄を体得した上で、自分の音を創造する、まさにジャズの王道「Mr・Jazz」だ。そして、プラスワンの池田篤のサックスも辛島に劣らず、熱い。

  もはやジャズの中心は、ニューヨークでも東京でもなくて、熱心なファンとミュージシャンの熱い演奏が行われる世界中のどこか、になったのかもしれない。この日、盛岡は間違いなくその中心地となった。


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