2009年 8月 4日 (火)

       

■ 〈夜空に夢見る星めぐり〉237 八木淳一郎 七夕の夜

 今年も七夕の季節がやってきました。七夕と聞けば、7がつくことから、7月7日と思いがちです。あるいは旧暦の行事なのだからほんとは8月7日だ、という発想も起こるでしょう。どちらにしても、七夕まつりが商店街の振興という目的のものであれば、みんなに覚えてもらいやすいためにも毎年決まった日がいい、堅いことは抜きにして|ということでいいのかもしれません。何だか日本文化の典型のようですが…。

  七夕の物語の起こりに照らし合わせますと、今の新暦に当てはめた場合、年によって日が異なってまいります。旧暦は月の満ち欠けを基に作られたカレンダーです。七夕の七は、月齢が7の日のことですから、七日月が夜空に見られるとき。7日月すなわち半月を舟の形に見立て、この舟に乗って牽牛(けんぎゅう)と織女(しょくじょ)の二人は天の川を渡ります。すると、今年は天の川のあたりに7日月がかかるのが8月26日。ではこの日の夜が二人の逢瀬のときということに…。フー。

  梅雨が開けるかどうかも危うい今年の空模様です。きれいな星空が望めればいいのですが、七夕の午後8時ころにちょうど織り姫星であること座のベガが中天高く、一層明るく光っています。盛岡の街灯りを逃れて空のいい所に行きますと、南北方向に広がる天の川の光の帯の美しさにきっとため息が出ることでしょう。天の川の西側の岸辺に色白のベガ、東側の河岸には彦星であるわし座のアルタイルの青白い光があります。そして二人の乗る舟は天の川の西、さそり座の頭のあたりに係留されています。二人の邪魔をしないようそっと見守りながら、わたしたちも一緒に星空の景観を楽しんでみましょう。

  天の川の西側にはさそり座のほかに、ヘルクレス座、へびつかい座などが、川の流れの中にははくちょう座、たて座、いて座などが夏を彩るようにちりばめられています。そして河岸から少し離れた東側には、やぎ座、みずがめ座、ペガスス座など秋を代表する星座たちが出番をうかがっています。やぎ座には惑星の王者木星が、マイナス3等級という圧倒的な明るさで輝いています。

  七夕や星の世界は同じようにして毎年巡ってきますが、その間にも地上の社会にはさまざまな変化の兆しが訪れようとしています。変革を追い求めるのがきっと自然な人の姿なのかもしれません。
(盛岡天文同好会会員)

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