2009年 8月 27日 (木)

       

■ 〈衆院選岩手2区〉畑氏優勢、鈴木氏苦戦 滝沢、雫石の情勢

 衆院選岩手2区は自民と民主の事実上の一騎打ちとなった。盛岡タイムス社は盛岡市玉山区、雫石町、滝沢村の有権者に22日から24日まで実施した電話調査と取材をもとに盛岡地区の情勢を分析した。その結果、民主新人の畑浩治氏(45)が政権交代という全国的な追い風を受けて優勢、自民前職の鈴木俊一氏(56)は逆風の中で苦戦を強いられている。戦いの構図は前回と同様でも、4年間で3区町村の政治状況は一変。政権選択を求める流れも大きな影響を与えているようだ。幸福実現新人の工藤哲子氏(46)は独自の戦い。

  畑氏は、前回敗れた後の4年間で地域を細かく回り延べ12万人以上と会い、知名度をあげた。県内全選挙区制覇を目指す党も参院議員4人を2区専従にする強力布陣を敷く。

  調査では盛岡広域圏の区町村で男女、職業、年代を問わず幅広い支持層に食い込む。支持政党別では民主支持層を固めるほか、無党派層からの支持も得ている。今回は自主投票を表明した共産、平和環境県労組センターや党2区支部連合が支援する社民からの支持も集める。

  鈴木氏は6期19年間の大臣も経験した経歴と実績を訴える。今回は初挑戦以来となる丹念な地域回りを行っているほか、県議らも入り支持固めに全力を注ぐ。

  調査では女性層、70代、80代からの支持が厚い。職業別ではJA新いわてや農協政治連盟などが支援を決めたこともあり、農業従事者に一定の支持を得ている。比例区で選挙協力する公明の支持は固めつつあるが、自民支持層の一部が態度を保留しているほか、無党派層の支持で伸び悩んでいる。

  区町村別に見ると、滝沢村は選挙人名簿登録者数4万2110人と2区では宮古市に次ぐ大票田。前回は畑氏が1万3594票を獲得し、鈴木氏の1万3130票を464票上回った。今回、同村でも「1回は(民主党に)やらせてみようかな」との声が多くから聞かれた。

  同村では04年7月の参院選で地元出身の主浜了氏が初当選。さらに前回衆院選後、勇退した自民系の柳村純一氏から民主系の柳村典秀氏に村長が交代し、県議選岩手選挙区でも喜多正敏氏が当選。民主色が濃くなり、自民・鈴木氏への包囲網は狭まった。

  雫石町は選挙人名簿登録者数1万5599人。前回は鈴木氏が822票差で競り勝った。父・善幸氏の代からの結びつきもあり、これまでは鈴木氏に一票を投じてきた有権者も多い。しかし、ある有権者の男性は「今回は民主に票を投じようと考えている」。07年7月の衆院選岩手1区補選で町出身の階猛氏が当選したことが大きいという。

  男性によると短期間の選挙であれば、これまで通りの付き合いで鈴木氏に投票したかもしれない。「選挙期間が長くなったことで何回も足を運ばれるとどうしても気持ちは傾く」。階氏は解散前から行事のたびに地元へ足を運び、解散後も畑氏を伴ってあいさつ回りした。

  玉山区は前回は鈴木氏が762票差で勝った。06年1月の合併後も在任特例で約20人いた旧村議が、07年の統一選市議選で2人となった。うち自民系は1人だけ。これまで選挙の先頭に立っていた議員数の激減で自民にとっては運動力の低下は否めない。一方、民主は業界団体などからの浸透を図って支持を拡大してきた。

  雫石町と玉山区は前回の両氏の勢力が逆転。滝沢村では畑氏が頭一つリードしている。畑氏陣営は最後まで気を引き締め、支持の拡大を図る。

  一方、終盤に来て鈴木氏陣営関係者は「本当に民主に任せていいのか、迷う人が増えてきた」「風は下げ止まり傾向」と話す。農業施策の違いをアピールし、2区では比較的多い農業層の支持の獲得に力を入れるほか、投票行動をちゅうちょしている自民支持層を固め、盛り返しを図れるかが鍵を握る。 

  工藤氏は街頭演説で消費税、相続税、贈与税の全廃や独自の防衛体制を築くことなど党の政策を訴えている。

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